(8)「転生神?と眠る天才」
……僕のステータスウィンドウを、ブチル兄がコンコンと叩く。
「何これ?なんか書いてあるみたいだけど、どこの国の言葉?」
……なんて答えようか。
「まあいいや、ちょっと借りるね」
ブチル兄がステータスウィンドウを、「窓枠」から外して持って行ってしまった。
なんだかわからないけど凄い脱力感がする。
まるで自家発電後の様に、力が抜けて、眠気を誘う。
眠い。いつも眠いが、今はいつもの4倍は眠い。
夢かな、ふわふわしてて気持ちがいいね。
……声がする。いい声だ。
「目覚めよ!ブタの子よ。いや、ブタだから寝ててもいいぞ。」
どっちだよ。まぁ、僕は結局寝るけどね。
僕はいつでも眠いんだ。
寝ててもいいなら、声かけるなよな。
僕は、寝たふりをしたが、そいつは僕を覗き込んだ。
目を開けてないのに何故だかわかった。
「おーい」
いい声だ。目を閉じてるので姿は見えていない。負けてたまるか。
僕の寝る意志は誰よりも強い。
「大丈夫でしょう。光にも反応しますし、こっちの声も聞こえてると思いますよ」
そいつは、そんな事を言っているような気もした。
くたびれたような何処か投げやりなオッサンのような雰囲気。見えてないけど。見たくもないし。
テンプレだと、ロクな転生神じゃない。
そしていつしか僕は再び闇に落ちだ。
…どれほどの時間が流れたのだろう。僕は目覚めの時を迎えた。
「あ、タクロー、起きたか?見てくれよ。良い窓ができたよ。外は見えるけど、風は通さない、最高だね。」
レンガの壁に透明な板がはめ込まれていた。
「雑巾で拭いたら、字みたいなの消えて透明になったんた。」
僕のステータスウィンドウ…
僕がつぶやくと、僕の前にいつも通り…いや、ちょっと小さいステータスウィンドウがに出てきた。
あれ…?
「ブチル、タクロー、話は纏まったか?」
トンル兄が戻ってきて声をかけてきた。
あ、そうだ。ジブタル兄のところの木の家のレンガ強化の為に来たんだった。忘れてた。
「ブチル兄、乾燥レンガ、ジブタル兄のところに持っていきたいけど、いい?」
「いいよ。」
……あっさり。
「そのかわり、あの板貰うね。」
あ、元ステータスウィンドウか。一応また出せるみたいだからいいか。でも、まさか僕以外に見えたり、取れたり、何なのアレ?
「村の長老にでも聞いてみればどうだ?その板のことだろ?分からんことは長老に聞くのが一番早いぞ」
そう、トンル兄は速さに拘る。それもそうか。また、聞いてみようと思う。でも、長老の見分けがいまいち自信がない。
また今度、ブチル兄といっしょに行こう。
それから、何度か往復しながらログハウスの強化工事と、レンガ用の木枠作成はすすんででいった。
そして
長老のチョーさん曰く。
「これは魔法ブッ質じゃ。」
オーク脂を魔力でも固めたものらしい。
普通のオークは、魔力を自在に操るには、異性に目もくれずひたすら、魔力を練り30年かけてやっと達成できるとか。
えっと。あのウィンドウは、ラードと魔力で作った高分子ポリマーで、魔力については…
30歳まで童貞だったら魔法使いになれる件…?
田久巳 琢郎とオークのタクローの15+15で30ってわけだ。
なんともいい加減な話だね。
ともかく、僕は15にして、魔法オークとなった天才扱いを受けることになった。
脂とか魔力が減ると、いつも通り作れなかったり、取り外すと眠くなるとか、なんとなくわかった。多分、取り外さないときは、分解して吸収するからほとんど疲れない。
「タクローは天才だな。俺も鼻が平たいぜ!」
と、ブチル兄。あ、オークはそうゆう表現になるんだね。
(9)へつづく




