(5)「三匹のゴブリンとハラミさん」
「タクロー、昨夜寝床で三匹の兄弟とか言ってなかったか?」
ジブタル兄に、聞かれてしまってた?
「お前、むかしからあの話好きだもんな。お前もそろそろ家建てて進化する頃だし。」
??? 三匹の子豚の話、この世界に有るの?
僕はそれとなく、トンル兄に探りを入れた。
こんな話だった。
「三匹のゴブリン」
むかし、三匹のゴブリンの兄弟がいました。
一番上のゴブリンは、ただの洞窟に住みました。
やってきた狼に、食べられました。
二番目のゴブリンも、洞窟に住みました。
少し賢かったので、扉をつけました。
ある寒い日、狼が言いました。
「外は寒い。中に入れてくれ」
二番目のゴブリンは、かわいそうに思い、扉を開けました。
狼は、ゴブリンを丸呑みにしました。
三番目のゴブリンは、扉をつけ、鍵をかけました。
狼が頼んでも、開けませんでした。
狼は扉をガチャガチャしましたが、開きませんでした。
だから、三番目のゴブリンは、生き残りました。
そして――
三匹目は、洞窟の奥でゆっくり眠り、目が覚めるとオークになったのです。
おわり。
似ている。けど、違う。
扉をつける。
開けない。
閉じる。
進化する。
全部、僕が見てきたことだ。
……戸締まりが大事。
……家を作って進化する。
この世界のルールの説明だね。やっとチュートリアルかよ。今更だね。
あれ?ノーマルオークがいる。ブチル兄はレンガの家づくりの筈だし、誰?
笑いながらトンル兄。
「俺の彼女、ハラミさんだ。可愛いだろ。」
かわいいの?……ごめん、トンル兄。全然わからん。
ほのかに顔を赤らめるメスオーク。この世界で美女、美少女要素は期待出来ない。たぶん。
あ、チャーシューと同じ色だ。と僕は思った。
「トンルさってば、かーいいだなんてアタス、こっ恥ずかしいだわ。」
オーク基準だとトンル兄の言う通りなのかもしれない。田舎娘系の天然ビジョ…ブジョなんだろう。
トンル兄いつの間に彼女なんか作ったんだろう。さすがタイプ:スピードスター。速い、速すぎるよ。
「そんだ、朝ごはん出来てるだ。みんなで食べるだよ」
ブヒッ。僕は良い香りに気が付き鼻を鳴らした。
あ、ログハウスの強化はご飯の後話そう。




