表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ど正論ヒーロー セイロンガー  作者: 月極典


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

153/154

正論(153)追跡するA班


 日本橋を起点に宇都宮、日光を抜け、果ては青森県まで続く国道4号線。赤いスーパーカーと、それを追うVVEI・A班の黒いバンは北上していた。


 黒いバンを運転しているのは、あのチャイコフスキーとスーパーカーが好きな戦闘員だ。名を小森という。彼は真由美の校外授業の時と、VVEI襲撃時(実際は鬼島を送り届けただけだが)に直接会話しており、セイロンガーに対する敵対心はなくなっていた。ただ仕事として任務をこなしているだけである。*正論(19)(44)参照


 尾行のため、さすがに黒覆面を脱いで地味なジャンパーを着ている小森だが、助手席に怪人が乗っているせいですべては無駄になっていた。

 

「マ、マブラーから火ふいで、が、がっげぇな……」

 ウィーン、シュボボボッ

 コモド怪人ヨダレだ。後部座席にいたが、尾行対象が赤いスーパーカーだと知るや、近くで見たいと聞かずに助手席に無理やり乗り換えたのだ。


 かぶりついて数台前を走るスーパーカーを見るヨダレ。小森は報道陣が詰めかけた昨日のアニキ呼び騒動を思い出し、気が重い。


 今朝のブリーフィングで新たに怪人課の課長となった男が出した司令。

『万が一、任務中のヨダレに裏切りの予兆があれば、人里離れた山中に置き去りにして、粉微塵に爆破せよ』


 報道陣の前でセイロンガーをアニキ呼びしたことが大々的に報道され、VVEI執行部の知るところとなったための措置である。いつもはセットで行動するゴリラ怪人暴れ太鼓がB班に分けられたのも、邪魔をされないためだ。


 日本支部のトップとされた、されこうべ大将や、守銭奴大佐などが更迭され、本国から派遣されたコマンダー・スネイクが指揮するようになってから、まるで別の組織のようになってしまった。以前の悪党ながらも和気あいあいとした会社、VVEI日本支部はもうない。


「ご、ごもり。セイロンのアニキは見えるが?」

 ウィーン、シュボボボッ


「見えないですね。……ヨダレさん、敵のセイロンガーをアニキ呼びするのダメですよ。昨日、めっちゃ怒られたでしょう?」


「い、いげねぇ。忘れでだ……でもあの人、敵だげど良いひどじゃねぇが……?」

 ウィーン、シュボボボボボボッ

 

(ダメだ、ヨダレは純粋すぎて裏切り行為に見られている自覚がない……)

 

「あんまり喋ると涎タンクを替えなきゃいけなくなるんで、シッ!」


 ドンッ

 後部座席に座るA班リーダー、赤タイツの戦闘員が後ろから運転席のシートを蹴ってきた。余計な注意をするなということだろう。


 小森はヨダレを黙らせてから、赤いスーパーカーを見る。追跡からしばらく経ったが、まるでスピードを上げる様子がない。いい加減、いつまでも一定距離で付いてくるこのバンに気づいてもよさそうだ。

(まぁ、どう考えてもダミーだ。それならそれでいいさ。どこまで行くのか騙されてやる)


 この任務が終わったら退職しよう。他より給料が良くて続けてきたがもう限界だ。そう思う小森だが、はたしてVVEIがすんなり認めてくれるのか、それを考えると背筋が寒くなるのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ