表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ど正論ヒーロー セイロンガー  作者: 月極典


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

143/151

正論(143)5階フロア異常なし


『ホークパレス』の3人はサーティーンと別れ、エレベーターへ向かった。


 セイロンガーが5階のボタンを押す。水沢雪菜の単身者向けの部屋がある。ちなみに、階下の4階には、今はトレセンにいる江口麻里の部屋がある。


「あの、管理人さんって呼び方、変えてもいいですか?」

 雪菜は思い切って言ってみた。

 

「お? 水沢ちゃん。いきなり距離を縮めにきたな。ジョーって呼んだらどうだ?」

 鬼島がからかう。雪菜が鬼島の腕をはたいた。


 セイロンガーは階数表示を見ながら答える。

「ジョーはまぁ、本名なので……セイロンとでも呼んでください。真由美さんはセイロンさんと呼んでますし」

 真由美の名前を出して、少し胸が疼いた。

 

『⸻私、何があってもセイロンさんの味方だから!』

 泣きながら叫んだ真由美の顔が浮かんだ。今日の昼にトレセンで別れてから、もうずいぶん会っていない気がする。


 鬼島が気安くセイロンガーの肩に手を置いて言った。

「俺はセイロンちゃんと呼んでいる!」


「勝手にな」

 


 プンッと音がして扉が開く。雪菜はバッグからカードキーを出して部屋へと向かう。


 部屋の前に到着すると、セイロンガーが言った。

「少し待ってください」

 セイロンガーは雪菜の部屋の扉を調べる。彼女はVVEIから追われる身だ。AIエミリーの監視により、マンションの警備は万全だが、一応ドアに異常がないか調べた。

 

「大丈夫です」

 セイロンガーが言うと、雪菜はドアを開錠し中に入る。

「10分くらい待っていてください」

 

「邪魔するぜ」

 雪菜に続いて、さりげなく鬼島も入ろうとする。

「いや、邪魔しないで。外で待っててよ」


 チッと舌打ちして鬼島は部屋の前の手すりに寄りかかり、外を眺めた。

「あれ、五百旗頭の家か? 道場の電気がついてるな」

 斜め下方に広い敷地の五百旗頭邸が見える。母屋は薄暗いが、道場の方は煌々と明かりがついていた。


「あぁ、シャドウズはシフト制だからな。シフト外のメンバーがトレーニングしているのだろう。夜間は筋トレ中心らしい」

 近所迷惑を考えてのことだろう。


「ほーん、すげぇね。たいしたもんだ……」

 他人事のようにいう鬼島だが、脳裏にあるのはサーティーンの身軽にマンションの壁面を登る姿だ。自分に出来そうもないことを、軽々とやってのける若い女性ヒーローに感心すると共に、肉体の衰えと向き合わなければならないとも感じていた。


「そうだな。五百旗頭夫妻もそうだが、日々のトレーニングに余念がない。俺も見習わねばならん」

 鬼島は、そう語るセイロンガーの肩に手を置き言った。

「そうか……頑張れ」


「お前もな」


 

 やがて、キャリーケースを引いて雪菜が部屋から出てきた。セイロンガーは念の為、ドアの気づかない程度の傷を目印に、紙片を挟み込んでドアを閉めた。

「雪菜さん、部屋に入室するときは、この紙片が動いてないか確認してください。もし、異変に気づいたら入室をやめて、私に連絡を……いや、だめだな。やはり入室の際は私が同伴します」


「わ、わかりました。セイロンさん」

 セイロンガーの行動で改めて、自分が追われる身であることを実感した。


「それでは、私の部屋へ案内します」

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ