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目を閉じてキスをしたら、ば。  作者: さくらスミレ


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3.ノリが悪いのか、俺がおかしいのか。



打ち上げは意外なほど盛り上がった。

普段それ程しゃべらない人間も、学校外の気楽な雰囲気に流されたのか、いつもよりも饒舌だった。


女子はあからさまに浅間狙いの数人を除けば、割と大人しめの男子とくっついたり。

仲良しグループが出来上がり、和やかな感じでワイワイしていて雰囲気は良かった。


そんな中、実行委員が満を持してマイクを握る。


「え~、それじゃぁ、みんなお待ちかねのあの企画。『目を瞑ってキスしたのだーれだ』ゲームを始めたいと思います!!」


ネーミングセンスの欠片もないけど。

とりあえずワーッって騒がれたから、今のタイミングで良かったな。


「参加者は一人ずつクジ引いておいて。まずこっちの箱ね。」


壇上に集められたのは参加者10名。

結構いるじゃん。俺、参加しなくても良かったんじゃないか?


差し出された黒い箱に手を入れる。

カサカサと音を立てている紙の束から一枚引く。


「よし、みんな引き終わったな。それは番号が書いてあるのでちゃんと自分の番号覚えておいて。捨てちゃダメだよん。」


何が「だよん」だ。全く可愛くないんだよ。

何だかこの場所にいる事が面倒臭くなる。

もうこの場から逃げ出したい。

それでもここで降りなかったのは、場の雰囲気を悪くしたくなかったという至極まっ当な理由だ。


「じゃ、後はコレ。あみだくじだから。選んで。」

「は?」


大きな紙に線が人数分引かれている。

ああ、これは準備が楽だわ、と思うやっつけ仕事。

ちゃんとあみだ仕様にしてあって、誰と誰が繋がっているのかは隠されて分からない。

ま、そこはちゃんとしてくれ。


「俺、こーこ。」

「私はこっちにする。みっちゃんは?」

「え~迷うけど。う~ん、ココかなぁ。」


みんなサクサク決めていく。迷いがないって凄いな。

俺はこんなのでも割と考えて迷うタイプなので、寧ろ最後の余り物の方がいい。

悩まず済むから。


そんな風に思って後ろに控えていたら、


「植田、あと俺たちだけだけど。どこにする?」


と浅間に声を掛けられた。俺の名前知ってたんだ、とそこに驚く。


「あ、わりぃ。うーん、どうしようかな。」

「ってあと残り2つじゃん。どっちでもいいんだぞ。」


迷っていたら浅間に笑われる。

何だよ、そんな風に笑う事ないじゃんって思ってちょっと不貞腐れてみた。


「俺は決められないタイプな訳。だから浅間が先に選べよ。」


そう言うと、浅間はちょっと驚いた顔をして嬉しそうに笑った。


「なに?」


「いや、植田が俺の名前呼ぶと思わなかったから。」


同じような事を考えていた事が恥ずかしくて、いいから早く選べと促す。


俺は無事最後の余ったあみだくじに名前を書いた。

迷わず。


『では、では~。参加者サイドはここで目隠しお願いします。全員で、はい。あみだくじはこちらで開封させていただいて、キスする側の方だけ目隠し外しますんで。』


企画としてちゃんと段取り詰めてなかったのか、少しダレながら会は進む。

それでも目の前でキスが行われるかもしれないってシチュエーションに会場は妙な熱気に包まれて行った。



暫く放置されて、目隠しされたままの俺たちも少々不安に思っていたころ、後ろでひとしきりワーとかキャーとか騒いでいた奴らが静かになった。

と同時に俺の目隠しが外される。


眼をしぱしぱさせて視界を確認していると、実行委員が口元に指をおいて「シーッ」っと話さないように合図を送っていた。

俺は頷く事で返事をして周りをみる。


俺と同じように目隠しを外されたのは5人。え、こっちってキスする側だよな。あちゃー、俺キスすんのか。


ちょっとがっかり。俺もキスされたかった。

対して目隠し組は割と人気高めの奴らが残ってる。

男子3人。女子2人。

え、女子いますけど、彼女たち大丈夫なんかな。


浅間は目隠し組で残っていて、会場の視線を一心に集める。俺たちキスする側に対する視線も痛い。

特に女子に対する女子の視線。この中から確実に浅間にキスする奴がいるってんだから嫉妬もされるわ。


順に目隠し組が椅子に座られる。

何これ、公開処刑?



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