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彼からの連絡・前編|部屋に響いた『あり得ない音』

 交際二年目の大好きな彼が、仕事で一年海外に行くことになった。


 今は飛行機代も高いし、往復だと余計に大変だから、途中で帰国する予定はないみたい。


 すごく寂しいけど、別れるなんてあり得ないから、遠距離恋愛を受け入れるしかない。


 けれど、その代わり、どんなに忙しくても、連絡は毎日必ずしてくれるって。


 画面を見なくても彼からの連絡だってすぐに分かるように、着信音をお気に入りのラブソングに変えておこうかな?


 半年後。彼の帰りを健気に待つ私に、とても嬉しいサプライズが起きた!


 なんと海外にいるはずの彼が、突然私に会いに来たのだ!


 私を驚かせようと、内緒で一時帰国したんだって。でも忙しいところを無理に抜けて来たから、すぐに帰らなきゃいけないらしい。


 たった一日私と過ごすために、高い飛行機代を払って何時間もかけて会いに来てくれたなんて嬉しすぎる!


 その日はとても外出する余裕はなくて、私の部屋で思い切り愛し合った。ゴムが無くて一瞬ためらったけど、半年ぶりだからお互いに我慢できなかった。


 情熱的に抱き合う私たちの後ろで、まるでドラマのワンシーンのように、毎日聞いている恋の歌が流れた。




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■ 解説■

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 最後に流れた恋の歌。語り手と彼は愛し合っている最中なので、二人が再生したものではない。


 たまたまつけっ放しにしていたテレビか何かの音なら、毎日聞くとは限らない。


 語り手は彼からの着信音を『お気に入りのラブソング』にしていた。


 彼は毎日、語り手に電話する約束だったので、この日もそうだったのだろう。


 語り手の携帯に電話してきたのが彼なら、いま愛し合っているのは誰だろう?

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