忘れられない女|妻子を捨てても会いたい理由
一年前。俺は街で偶然すれ違った美女に目を奪われた。
彼女とはそれ以前に会ったことはない。全く知らない相手に、俺の人生は一瞬で狂わされてしまった。
俺には妻子がいるのだから、彼女への想いは忘れなければならない。
しかしどんなに自分に言い聞かせても、彼女のことが頭から離れなかった。
たまたま一度会っただけの名前も知らない女を見つけ出すなんて不可能だ。
それでも理屈では止められない感情が俺を突き動かす。
とうとう俺は妻と離婚し、子どもとも縁を切る覚悟で、彼女を探すことにした。
それは明らかに過ちで、余計に自分を不幸にする愚かな行為。それが分かっていても、俺は必ず彼女を探し出すと決めた。
この胸に燃える想いを遂げるために。
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■ 解説■
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語り手は一年前に会った忘れられない女性を探すことにした。
けれど、それが『余計に自分を不幸にする愚かな行為』だと言っている。
『余計』ということは、すでに語り手は不幸なのだ。その不幸の原因は女性に『目を奪われた』こと。
語り手は見知らぬ相手に、通り魔的に目を奪われた。それによって視力を失い、一瞬で人生を狂わされた。
その恨みを忘れられない語り手は、迷惑をかけないように妻子と縁を切って、女性に復讐しようとしている。




