第134話 項来来
斉で田横の軍を追っていた項羽の陣へ、土煙を上げながら騎馬の一団が駆け込んできた。
斉の兵でも、通常の伝令でもない。先頭の護衛が馬を止めるより早く、項羽は一団の中央にいる女を見つけ、自分から歩み寄った。
「虞?」
長旅のため髪も衣も乱れ、普段なら人前に出る前に必ず整えている身なりにも構う余裕がなかったらしい。それでも、項羽が見間違えるはずはなかった。
「どうしてお前がここにいる。彭城で何があった」
馬から降りた虞は、護衛に支えられながら何度か息を整え、それからようやく答えた。
「彭城が漢軍に攻められました。率いていたのは劉邦です。兵は十万ほどだったと聞いています」
「十万も?」
項羽は眉を寄せた。
斉へ楚の主力を向けている間に劉邦が動くこと自体は考えられたが、まさか一気に彭城まで来るとは思っていなかった。
それでも次に尋ねたのは、城の守備や失った兵のことではない。
「范増はどうした」
虞が答えるまでに生じたわずかな間で、項羽の表情が変わった。
「私を先に逃がして、自分は城に残りました。楚兵の大半も別の道から退かせ、漢軍を城内へ誘い込んで火を放ったそうです」
「それで、あいつは?」
「彭城は落ちました。范増も、城の中で亡くなったと」
項羽は何も言わなかった。
すぐ近くにいた龍且をはじめ、将たちも声をかけようとはしない。最近の項羽と范増の間が以前ほど良くなかったことは、楚軍の中でも隠しようのない話になっていた。
范増が策を出せば、項羽がまた小言かという顔をする。項羽が何か決めれば、今度は范増が危ういところを探して口を挟む。その繰り返しは、長年の二人にとって珍しいものではなかったが、最近はそこへ得体の知れない噂まで重なり、互いの苛立ちは以前より表へ出るようになっていた。
斉へ出る時、范増を彭城へ残したのも項羽自身だった。
歳なのだから無理をするな、とまで言った。
「……逃げればよかっただろう」
しばらくして出た言葉は、死者を悼むというより、まだどこかにいる范増へ腹を立てているようだった。
「城くらい、また取ればいい。何であいつが残る必要があったんだ」
虞は何も答えなかった。
答えは項羽にも分かっている。
范増が城に残らなければ、虞はここまで無事に逃げ切れなかったかもしれない。劉邦は以前から彼女を欲しがり、陳平もまた別の意味で異様な執着を見せていた。
「私を逃がすために残ってくれました」
虞が静かに言うと、項羽はしばらく地面を見ていた。
最後まで気に入らない女だった。
頼んでもいない先のことまで考え、聞きたくない忠告を平気でぶつけ、自分の決定にまで口を出す。それが鬱陶しくなり、以前より遠ざけていたのも事実だった。
なのに最後に范増が守ったのは、自分の命でも城でもなく、項羽が何より大切にしている虞だった。
「……礼くらい言わせろ」
漏れた声は小さく、傍にいた虞にしか聞こえなかった。
もう言う相手はいない。
項羽はしばらく目を閉じていたが、再び顔を上げた時には、その目にあったものが悲しみから怒りへ変わっていた。
「劉邦はまだ彭城にいるのか」
「城を取ったばかりです。まだ留まっている可能性が高いと思います」
「なら戻る」
龍且が前へ出た。
「斉の方はいかがなさいますか」
「お前に任せる。田横を逃がすな」
「承知しました。兵はどれほどお連れになりますか」
「一万でいい」
周囲の将たちが顔を見合わせた。
敵は十万である。それに対して一万では、兵数だけを比べればまともに戦える数ではない。
しかし項羽は、初めから兵数で劉邦と競うつもりがなかった。
「斉の軍を全部まとめていたら遅くなる。劉邦が守りを固める前に戻る方が先だ。斉はそのまま攻めろ」
龍且は少し考えたあと、深く頷いた。
「分かりました。こちらは私が引き受けます。ただ、どうか無茶だけはなさらぬよう」
「私にそれを言うのか」
「申し上げても聞いていただけないことは承知しております。それでも、今は申し上げる者が一人減ってしまいましたので」
項羽の目が一瞬だけ揺れた。
「……そうだな」
その日のうちに一万が選び出され、余計な荷は捨てられた。食糧も必要最低限に絞り、馬を使える兵には可能な限り馬を回し、歩兵にも途中で交代して騎乗できるよう予備の馬を用意する。
出発を前に、項羽は虞へ向き直った。
「お前はここにいろ。龍且のところなら心配ない。今度は私が戻ってくる」
虞は止めようとはしなかった。
「お気をつけて」
「ああ」
ほどなく項羽は一万の兵を率い、斉から彭城へ向けて走り出した。
◆
その頃、彭城に入った漢軍には、すでに戦に勝った後の空気が広がっていた。
楚の本拠を奪い、范増まで死んだ。入城時の火計で先鋒に数千の死傷者を出し、盧綰まで失ったとはいえ、十万の軍そのものはまだ大きな力を残している。
しかも東進に先立って、漢軍は別働隊にも仕事をさせていた。
灌嬰と曹参が率いる軍は漢水方面へ進み、楚側の拠点であった襄陽を攻略している。魚復から東へ伸びる補給路の途中に前進基地を持てたことで、彭城まで出てきた本隊も、完全に孤立しているわけではなかった。
さらに後方では、蕭何が巴蜀から魚復へ続く兵糧と人員の流れを支えている。
そうした事情まで含めれば、漢軍が多少浮かれるのも無理はなかった。
項羽は斉にいる。
すぐに戻れるはずがない。
兵たちはそう考え、彭城に残っていた酒を見つけると、あちこちで勝手に飲み始めた。楚軍のために蓄えられていた食糧まで開けられ、戦利品を見せ合う者や通りで歌い出す者まで現れ、まだ項羽本人とはまともに戦っていないのに、楚そのものを滅ぼしたかのような騒ぎになっていった。
その喧噪から少し離れた部屋では、劉邦だけが珍しく酒にあまり手をつけていなかった。
手元の杯を眺めたあと、ふと隣の空席へ目をやる。
少し前までなら、盧綰が真っ先に酒壺を抱えて押しかけてきたはずだった。勝ったのだから飲めと言い、負けた時には負けたから飲めと言い、どちらにしても理由をつけて飲むような女だった。
「……あいつなら、もう一番いい酒を探してただろうな」
近くにいた陳平は、珍しく軽口を返さなかった。
韓信は祝いの空気そのものに興味を示さず、卓上の地図を見ている。
「項羽は戻るよな」
劉邦が尋ねると、韓信は斉から彭城までの道を指で追った。
「戻る。ただし、すぐではないと思う。斉で田横を追っている以上、軍をまとめて引き返すには時間がかかる」
陳平もそこには異論がなかった。
「范増の死まで知れば、斉を途中で放り出してでも戻りたがるでしょう。しかし十万を相手にするなら、普通は兵を集めます。その間にこちらも城の守りを直せますし、襄陽から物資を上げることもできる」
「じゃあ、何日かはあるか」
「あるだろう」
韓信はそう答えた。
それは楽観だけで出した判断ではなかった。
普通の将が、普通の軍を率いて戻ってくるのなら、間違っていない。
◆
ところが項羽が率いる一万は、その普通から大きく外れていた。
遅れた兵を待たず、途中で替えられる馬があれば替え、夜も道が見える間は進む。大軍を連れて戻れば遅くなると最初から割り切り、彭城へ一刻でも早く着くことだけを考えていた。
漢軍の斥候が楚軍の動きを掴んだ時には、すでに距離が思った以上に縮まっていた。
「楚軍が接近しています!」
報告を受けた韓信が立ち上がった。
「数は」
「およそ一万です!」
劉邦が眉を寄せる。
「一万だけ?」
その直後、別の伝令が駆け込んできた。
「先頭に項羽の旗を確認しました!」
陳平の表情が変わった。
「もう来たのか」
城内では、まだ酒を飲んでいる兵が少なくない。武器を脇に置いたまま眠り込んでいる者もいれば、戦利品を抱えて自分の部隊から離れている者までおり、十万という数はあっても、その場ですぐ一つの軍として動かせる状態ではなかった。
韓信はすぐに命令を飛ばした。
「門を閉じろ。酒を捨てさせ、動ける兵から城壁へ上げろ。部隊を離れている者は所属を問わず近くの将の指揮に入れ」
しかし、彭城の正門は范増の火計で傷み、まだ応急の修理しか終わっていない。
守備兵が集まり切るより早く、城外から地面を震わせる馬蹄の音が響いた。
◆
最初に項羽とぶつかった漢兵は、相手の顔を確かめる余裕すらなかった。
焼け残った門へ項羽が突入し、守りを整えようとしていた兵の中へ馬ごと飛び込む。槍が大きく振るわれるたびに前列が崩れ、狭い門前へ慌てて兵を集めたことがかえって災いして、前へ進もうとする者と逃げようとする者がぶつかった。
そこへ後続の楚兵が押し込んでくる。
十万対一万という数字だけを見れば、勝負になるはずがない。
だが漢軍の十万は、広い彭城の中へ散っていた。酒を飲んでいる兵、眠っている兵、略取した物を運んでいる兵、それぞれが突然の襲撃を聞いて別々の方向へ動き始め、命令を届けるだけでも時間がかかる。
「項羽だ!」
誰かが叫んだことで、混乱はさらに大きくなった。
易水で匈奴二万に囲まれながら生き残ったという話は、漢軍にも伝わっている。噂で聞いていた本人が本当に先頭で槍を振るい、その後ろから楚軍が殺到してくれば、酔いの残る兵たちの中には姿を見ただけで後ろへ下がる者まで出た。
「劉邦を出せ!」
項羽は怒鳴りながら街路を進んだ。
狭い通りでは漢軍の数を活かせず、前列が崩れるたび、その後ろにいる兵まで敵の姿を見ないまま押し戻される。
やがて韓信が、まだ命令を聞ける部隊をかき集めて一つの通りを塞いだ。
「ここを抜かせるな。横へ広がろうとするな、前だけ止めろ!」
槍を揃えた兵が壁を作り、項羽の進撃を一度だけ鈍らせる。
それを確認すると、韓信は後方へ命じた。
「漢王を城外へ出せ。南へ退かせろ」
「まだ十万いるぞ!」
剣を持った劉邦が声を上げたが、韓信は相手にしなかった。
「十万が十万として動けていない。今ここに残れば捕まる」
陳平も今回は反対しなかった。
「退いてください。襄陽は取ってあります。そこまで戻れば、まだ軍を立て直せます」
「手を引っ張るな、自分で走れる!」
「なら急いでください!」
劉邦は悪態をつきながらも、護衛に囲まれて南へ向かった。
韓信はすぐには逃げず、まともに動ける部隊で項羽を食い止めながら、城内に散っている兵へ南への退却を命じた。すべてを一度にまとめることは諦め、部隊単位で抜けられる者から抜けさせる。
その日のうちに、漢軍は彭城を維持できなくなった。
死んだ者、捕らえられた者、城外へ逃げた者、まだ味方を探して彷徨っている者が入り混じり、十万のうちどれほどが残っているのかさえすぐには分からない。
項羽は一万を率いて、自らの本拠を奪い返した。
◆
それでも項羽の怒りは収まらなかった。
「劉邦はどうした」
「南へ逃れたようです。追えばまだ追いつけるかもしれませんが、こちらの馬も兵もかなり疲れております」
報告を受けた項羽は、血のついた槍を握ったまま南を見た。
本当なら、このまま劉邦本人を追いたかった。
しかし周囲には散った漢兵がまだ残り、城内の整理も終わっていない。長距離を無理に急行してきた一万の兵をそのまま追撃へ使えば、今度はこちらがばらばらになる。
しばらく黙ったあと、項羽は別の地名を口にした。
「沛は近いな」
傍らの将が頷く。
「はい。それほど遠くはありません」
「焼く」
将が一瞬だけ言葉を失った。
沛は劉邦が生まれ育った土地であり、古くからの知人や一族と縁のある者も多く住んでいる。
「彭城を奪い、范増を死なせた。なら、あいつの故郷だけ何もなかったように残しておく必要はない」
范増を直接手にかけたのが劉邦ではないことなど、今の項羽には大した違いではなかった。
楚軍の一部が沛へ向かった。
◆
沛の有力者の一人であった呂雉が異変を知った時には、町の外ですでに煙が上がっていた。
「楚軍だって?」
屋敷へ飛び込んできた男が、息を切らしながら何度も頷いた。
「項羽の軍です。彭城を取り戻したあと、そのままこちらへ兵を出したと」
「何で沛なんだ」
「劉邦の故郷だからだそうです」
呂雉は、一瞬何を言われているのか分からなかった。
自分は劉邦の兵ではないし、項羽と戦ったこともない。彭城を攻めたわけでもないのに、劉邦と同郷だというだけで巻き込まれようとしている。
もっとも、怒りに任せて入ってくる軍が一軒ずつ事情を聞いて回るはずもなかった。
「逃げるよ。持てるものだけ持ちな。荷物を選んでる暇はない」
家人へ命じた直後、外から悲鳴が上がった。
すでに間に合わなかった。
楚兵は劉邦と縁の深い家や土地の有力者を狙い、抵抗する者を斬りながら火を放っていった。混乱に巻き込まれた呂雉の一族も逃げ切れず、父母や兄弟、親類が次々と失われていく。
呂雉自身は裏手の塀を越え、畑から林へ入り、追っ手の声が聞こえなくなるまで走り続けた。
ようやく足を止めて振り返った時、自分の屋敷があった辺りから黒煙が上がっている。
劉邦が彭城で何をしたのか、范増という女が誰だったのか、そんなことは呂雉には関係がなかった。
分かるのは、項羽の軍が来て、自分の一族を殺したということだけだった。
呂雉は燃える町をしばらく見つめたあと、もう振り返らず歩き始めた。
◆
劉邦たちは南へ退きながら、散った兵を少しずつ拾っていった。
韓信は今回のような潰走まで予想していたわけではないが、東進の際に退路上の集合地点をいくつか定めていた。それが役に立ち、数百、時には数千単位の兵が戻ってくることで、日が経つにつれて軍は少しずつ形を取り戻した。
それでも、彭城へ入った時の十万には遠く及ばない。
「一万だったんだぞ」
南へ向かう途中、劉邦は何度目か分からない愚痴をこぼした。
「こっちは十万いたのに、一万に追い出されたんだぞ」
「十万全員が一か所で戦ったわけではない。かなりの兵は、項羽を見る前に崩れた」
韓信が淡々と返す。
「分かってるよ。分かってるから余計に腹が立つんだ」
「なら次は、勝った直後に軍を緩ませるな」
「俺だけのせいみたいに言うなよ」
「漢王も止めなかった」
「お前、こういう時だけよく喋るな」
陳平は二人のやり取りに加わらず、馬上で黙っていた。
自分も項羽が戻ることまでは読んでいた。しかし、その速度も、一万だけで十万の中へ突っ込むという選択も読めなかった。
言い訳を探す気にはならなかった。
やがて漢軍は、東進の途中で確保していた経路へ戻り始めた。
目指すのは襄陽だった。
そこには先に灌嬰と曹参が入っており、城も兵糧庫も漢軍の手にある。彭城から逃げてきた兵を収容する場所としては、これ以上都合のよい拠点はなかった。
先に襄陽へ入っていた灌嬰は、敗走してくる味方の数を見て顔をしかめた。
「勝ったって聞いたばかりなんだけどね」
隣の曹参も、城門の外へ続く兵の列を眺めている。
「一度は勝った。今は負けて戻ってきてる。それだけだよ」
「随分簡単に言うね」
「城が残ってるだけ、まだましさ」
負傷者を先に城内へ入れ、兵糧を配り、部隊ごとに収容場所を決める。灌嬰と曹参が先に基地を整えていたことで、漢軍は完全に潰れることなく立て直しへ移ることができた。
さらに西の魚復では、蕭何が敗報を受けるより前から、次々と届く兵糧と兵員を整理していた。
彭城を取ったという報せが来たかと思えば、その後すぐに失ったという報せが続く。
「随分忙しい戦ですね」
そう漏らしたものの、蕭何の手は止まらなかった。
前線が勝とうが負けようが、兵糧は必要になる。
むしろ負けて戻ってくる時の方が、腹を空かせた兵は多い。
襄陽へ追加の穀物と薬を送る手配を始めると同時に、散った兵を再編するための装備も集めさせた。
◆
北方から戻る途中だった俺のもとへ一連の報告が届いた時、最初は使者が順番を間違えて持ってきたのかと思った。
漢軍十万が彭城を奪い、范増がそこで戦死した。
そこまでは、まだ理解できる。
ところが、その後に斉にいた項羽が一万だけを連れて急行し、彭城を奪い返したうえ、十万の漢軍を南へ追い払い、その勢いで沛まで焼いたという。
「ちょっと待ってくれ」
俺は地図へ置こうとしていた駒を、手に持ったまま止めた。
「この前まで項羽は斉で田横を追ってたよな?」
「はい。現在も斉には龍且の軍が残っています」
張良が答える。
「劉邦が彭城を取ったのも間違いない?」
「間違いありません。一時は完全に漢軍が城を押さえています」
「それを、もう項羽が取り返した?」
「そのようです」
確認しても話は分かりやすくならなかった。
劉邦は敗れたものの、襄陽まで退いて軍をまとめ直しているらしい。後方には蕭何がいて兵站も切れておらず、一度大敗したからといって漢そのものが崩れたわけではない。
少し前には冒頓が燕を押さえたと思ったら、こちらが北へ入ったことで草原へ戻り、その後また燕へ引き返している。項羽は斉へ深入りして身動きが取れないと思えば、一万で彭城まで戻ってしまった。
俺は地図の上に並んだ駒を、改めて端から眺めた。
秦も動いたし、楚も漢も匈奴も、この短い間にかなりの兵を動かしている。それだけ戦況が揺れたのだから、少しくらい勢力図が整理されてもよさそうなものだが、項羽も劉邦も冒頓も、結局まだ健在だった。
「これだけ大騒ぎして、前より分かりにくくなってないか?」
張良は地図を眺めながら、少しだけ口元を緩めた。
「誰か一人がすぐ天下をまとめられる状態ではなくなった、ということだけは確かでしょう」
「それは見れば分かる」
彭城は再び楚。
斉では龍且と田横がまだ戦い、燕には冒頓が戻っている。漢は襄陽へ退き、こちらは北方から人と家畜を連れて帰る途中だった。
地図の色を塗り直したところで、また何日かすれば変わるかもしれない。
俺は手に持ったままだった駒を、結局どこにも置かず卓の脇へ戻した。
天下が定まるまでには、まだ随分かかりそうだった。




