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勇者の君へ ——僕は平穏に暮らしたかった物語——  作者: R.R.
第二章 集い、始まる

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13/20

13、少女 セシリア(セシリア視点)

セシリアは目を覚ますと床に倒れていた。


どれぐらい気を失っていたのだろう。


そう思い立ちあがろうとする。


細く、華奢な腕が出てきた。


おかしい。


セシリアは、身長は平均ぐらいだが、元勇者ということもあり普通の女性よりも筋肉がついている。


だから、彼女の見慣れている腕はこの細い華奢な腕ではないのだ。


まるで、聖剣に選ばれる前の頃のような細い腕。


セシリアは違和感を確かめに、鏡の前に立つ。


「うそ…….」


鏡には記憶より一回りも、二回りも小さい自分がいた。


この腕でこの身長なら、15歳くらいだろうか。


セシリアは若返ってしまったのだ。


彼女は原因を考える。


「まあ、うん。あれだろうね……」


行商人から貰った透明な粒、あれしか思い浮かばない。


やっちゃったぁ…..


セシリアが後悔に苛まれていると、突然…..


チリンチリン。


扉の開く音がする。


「おねえちゃんー?いるー?」


来客だ。


いくら元勇者とて、ドジした姿など見られたくない。


「いまはちょっ……」


そう思い口に出そうとしたがもう遅い。来客——ルネに見つかった。


「え?」


セシリアが弁明しようと口を開く。


しかし……


「かわいいーーー!!」


ルネはお構いなしにセシリア(15歳)を構う


「服はおね….セシリアのを着てるって事だし、セシリアの親戚??名前は?年齢は?それとそれと……」


しつこい…..


「ちょっと、ルネ落ち着いて。私がセシリア。君のお姉ちゃん。」


一瞬の静寂が空間を襲う。


「えええええ!!!!」


こんな反応になるよな…..。私も大声で叫びたい。


しかし、人間は自分より驚いてる人を見ると冷静になるようだ。


それでもルネは納得しない。


「だって、おねえちゃんって今年3….2?だったはずだよ?こんな若くて可愛い少女じゃないって!!」


この生娘、失礼な。


「セシリアおねえちゃんは、いつでもどこでも可憐な美少女ですぅ!!」


鼻で笑うルネ。


「30代で美少女は無理があるwww」


よし、決めた。


「私はおばあちゃんらしいので、今後ルネのためにパンを焼けません。」


そう言うと、この世の終わりみたいな顔で


「ごめんおねえちゃんんん。それだけは、それだけはぁぁぁ……」


こんな泣き顔して、15歳にもなって恥ずかしくないのかしら。


でも……ちょっと言いすぎたかな…..


「ごめん、冗談。ほら、パン焼くからテーブルで待ってて。その時にお話ししよ?」


ルネの顔がばぁっと晴れていく。


眩しい。笑顔が眩しい。


セシリアはパンをかまどに入れ、おやつの準備をするのだった。

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