第十九転調「聖龍剣」
その白き龍の姿は黒いトカゲの姿になっていた。
「このじょうたいではここからはでれぬ、
なにせここは、わたしがつくったからな」
この龍だったトカゲは本来の力を常時出せないらしい。
滑舌も少しふんわりしているのはそれが原因だろう。
更に困ったことがあるという
「ここはかりのくうかんじゃ、わたしのちからがないとではいりができぬ」
えっと、つまり?
「わたしのちからがもどるまではでれぬということだ!!」
出れない?ここからしばらくの間でれないの?
僕がここにいる間にも現実の時間は進んでいるとそのトカゲが言った。
「そこでだ!わたしのちからがかんぜんにもどるまで、ここでわたしがじきじきにおしえてやろう、ひでんのわざを!!」
秘伝の技?僕がこうしている間に世界が危機に晒されるかもしれない。
でも、出れないんだよね...??
ならやるしかないか、
「わかった、トカゲさん、秘伝の技に挑戦する!」
そのトカゲが言った。
「でんじゅはかんたんではないからな?
かくごしろ!.......あと、わたしはとがげではない!」
どう見てもトカゲにしか見えないんですけど...
「あーさー、というなまえがある!!」
聖龍にも名前はある物なのか?
当たり前か。
「じゃ、じゃあアーサーさん、早速教えてください!」
「わたしがでんじゅする、ひでんのわざはもうすこしあとにする」
秘伝の技はすぐには教えてくれないのか?
「いまのおぬしでは、わざにからだがおいつかず、おぬしが、はいになってしまうからな」
今僕が秘伝の技を使おうとしたら灰になるらしい...え?非常に身の危険がある技なのでは?
「まぁ、あんしんしたまえ!
いまからやることをかんぜんに、しゅうとくできれば......はいになることもない」
まずは灰にならないために何かを習得していく必要があるのか?
「それは......りゅうはけんをあつかえることだ」
「なにそれ?」
聞いた事ないが、どうやら龍波剣という秘剣らしい。
「りゅうはけんは、せいりゅうとなったものが、うみだせる......せいなるけんだ!」
聖龍にしか出せない秘剣?
それを扱えるようにする?
その秘伝の技と、なんの関係があるんだ?
「せいりゅうたちすべてがまったくおなじはかぎらない」
聖龍でも個体差とか得意不得意はあるのか
「わたしのばあいは、げんじつとゆめの力をとくいとしているのだが、それはひでんにもつうずるのだ」
つまり、アーサーが得意とするのは現実と夢の力であり、秘伝の力もその力に通ずると...?
「わたしのりゅうはけんをかんぜんにあつかえるようになったとき、ひでんのわざをでんじゅする」
要は簡単な説明だった。
秘伝の技を会得するためには、龍波剣を扱いこなせ
という事らしい。
やると決めたんだったらやるしかない!!
「うむ、かくごはあるようだな、でははじめるぞ」
アーサーは取ってくると言って何もない空間にポツンとある一軒家みたいな小屋に入って行った。
何故ここに小屋があるのか理解できないが
何か思い入れのある小屋なのか?
かなり綺麗な小屋だ。
「とってきたぞ、これがわたしがうみだした......りゅうはけん!」
かなり厳重に箱の中に保管してある。
箱には
『聖龍剣 エントラステッド・ソード』
と表記されていた。
「あけてみたまえ......」
そう言われて箱を開けた瞬間何かを感じた
「これは?何かが伝わって来た様な...」
まるで誰かの記憶を見ている感覚だ。
「これはこの剣の記憶だ」
アーサー、滑舌だけ戻ってる......
「その剣の力が使われているからだ。
私の力はその剣にも眠っているのだ」
そうなのか、見た目はそのままだけど......
「その剣を扱いこなせた人間は世界に二人だけ、
その一人がスリープ、お主らが言う眠り姫だ」
眠り姫が、昔使っていたのか?
それに、二人居たのか?
「あと一人は誰なの?」
アーサーは僕の目を見て言った。
「其奴は救世主と呼ばれた男だ」




