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労働 1


「さあ、先ずはトイレ掃除だ」

 ヒラヒラの服ではなくフリルがいっぱいついたピンクの服に着替えさせられ、仕事にかかる。


 仕事内容は主に掃除、洗濯、部屋の掃除とほとんどが雑用だ。


「この人がメイド長だ。この人の言うことを聞くんだぞ」

 ご主人はそう言い残すと去っていった。


 メイド長は三十半ばくらいの女性で、よくあるメイド服に身を包んでいる。


 髪は綺麗なブロンド。瞳はブルー。鼻が高く綺麗な顔立ちだ。

 しかし目がつり上がっていてちょっと近寄りがたい雰囲気がある。


 すこし太めなのも玉にきずかな。


「よ、よろしくお願いしまにゃ。ミカンにゃ」


「よろしくミカンさん。私様わたくしさまはメイド長のザーマスザマス。下働きといえども厳しく指導するザマス。お覚悟はよろしいザマスか?」


 覚悟も何も「はい」と返事するしかなかった。


「よろしいザマス。でわトイレ掃除を始めるザマス」


「はい、ザマスさん」


「シャラップザマス。私様はメイド長様と呼ぶザマス。わかりましたザマスカ」


「はいメイド長様」

 は~言葉遣いまでチェックが入るんだ。

 気をつけないと。


「それでわ、トイレ掃除を始めるザマス」

 デッキブラシと雑巾、バケツを渡される。


「あのメイド長、井戸はどちらにありますかにゃ?」

「シャーラップ。何ザマスかその言葉遣いにその態度。全然なってないザマス」


 え? 何か変なコトした?


「良いザマスか。今の場合はこうして拳を二つつくってアゴに当てるざます。少し腰を落として『え~私ミカン。井戸の場所わかんないの。お・し・え・て、メイド長様~』ザマス。この時甘えるように体を左右に振るのを忘れないようにするザマス」


「何これ、可笑しいにゃアハハハ……は」

 メイド長様のつり目がさらにつり上がっていった。


「どうやらお仕置きが必要ザマスね」

「あ、ごごごめんにゃさい。メイド長様」

 何だかどす黒いオーラが漂っているんですけど。


「ハガネ、例の部屋に連れて行くザマス」

「へい、メイド長様」

 ちょ、ちょっとドコへ連れて行くの。


 ハガネさんに担がれて地下の階段を下りていく。


 ち、地下って……拷問部屋?


「いや~、メイド長様助けてくださいにゃ」

 両手を会わせてメイド長に懇願する。


「ダメザマス。しっかり調教するザマス。覚悟するザマス」

「そ、そんな~。レモン助けて!」

 私の声は地下へ向かう階段にむなしく反響するだけだった。


 重そうなかんぬきをずらす音が聞こえる。


 ハガネさんの肩に担がれている私は何をしてるのか見るすべはない……けど、重々しい樹の扉が開かれていることは容易に想像できる。


「ここは特別室ザマス。お客様の様々な趣向に会わせて必要なモノがそろっているザマス」

 私たちは部屋の中に入る。


 ロウソクの明かりに照らされてうっすら見えるあれは木馬?


 いや違うよね。

 三角の尖った方が上を向いてるし、何に使うんだろう?


 あれはイス?

 いや違う変な形してるしV字みたいになってるもん。



 そんな事を考えているとガチャリ、私の左足に枷がつけられた?

 ハガネさんの肩から降ろされるとやっぱり左足から鎖が伸びていた。


「あの~メイド長様、何を?」

「調教ザマス。ハガネもういいザマス」

 ズゴゴゴと重たい樹の扉を締めてハガネさんは部屋を出ていった。


 部屋の中は私とメイド長の二人きり。


 メイド長は壁のロウソクにも火をつけ始めた。


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