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「ところでリーン。この道であってるのかにゃ?」
「心配性ね。北に向かってるから平気よ」
ヒラヒラと手を振って適当な返事をするサキュバス。
ホントに大丈夫なのかな?
道案内を名乗り出ているくせにホイヤーさんに抱かれて楽しく談笑。
レモンはああは言ってくれたけど……手くらいつなぎたいな。
チラッとレモンに視線を移すとバチって目があった。
ドキン
思わず息ができないくらい胸が高鳴る。
「そら」
レモンが私の手を握ってくれた。
え、ええ?
「な、何でわかったにゃ?」
「何年一緒にいると思ってるんだ」
じ~ん
なんだか胸が熱くなってきた。
「お、手を繋いで歩くのか俺様もまぜろ」
「あ、あたいも」
「あ、こら」
せっかくいいムードだったのに。
私とレモンの間にはマイヤーとアイヤーが手をつないで、さながら親子の団らんみたい。
親子?
って、私とレモンが夫婦ってことだよね?
ボフッ
思わず顔から火が出そうになる。
レモンに視線を向けるとまたまたバチって目があった。
『たまにはこういうのもいいもんだな』
レモンがそう言った気がした。
「あれ~?、こっちだと思ったんだけどねぇ?」
リーンが妖艶な唇に右手の人差し指を当てて声を上げる。
大人の可愛さがあるその仕草がよけいと悔しい。
「ちょっと何回目にゃ」
かれこれ一〇回目くらいじゃない?
道案内になってないよ!
「ミーちゃん、そう怒らないで。ここは迷いの森。リーンが迷うのも無理はないよ」
いや、だからこその道案内でしょ!
「やん。あん」
「俺様は構わないぜ。間違う度に姉ちゃんのケツナデナデできるからな。この手触りが何とも言えないな」
「あたいもだよ。この谷間がいいね」
マイヤーとアイヤーは罰ゲームと称してリーンをなでくり回して喜んでるし。
ホイヤーさんにはキスマークが増えていく。
全く緊張感ないんだから!
「とりあえず今日はこの辺でキャンプにしようぜ。日もだいぶ傾いてきたからな」
レモンとドリアンさんは薪を拾い始める。
「うんしょ」
荷物を下ろして大きく伸びをする。
池のほとりだから水に困らないのが唯一の救いよね。
村を出るときに食料も分けてもらったから、無理に狩りする必要もないし。
「さて、夕食の準備をしよう」
干し肉と野菜の煮物とパンね。
干し肉に下味をつけて……っと。
「あ、火もついたみたいにゃ」
鍋に入れて軽く火を通してから水を加えるのがコツ。
香草の香りと香ばしさがますのよね。




