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エンドコンテンツ裏ボスである主人公の親友に転生した俺、最強だがいずれ敗北が確定しているため、ハッピーエンドを目指して学園生活を謳歌する  作者: 椿紅颯
第五章

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第31話『イレギュラー的展開な馬鹿話とは』

「――でさ、帰りにカリナと会ったけど罵倒されたよ」

「なぜ?」


 晩御飯を終え、俺の部屋でカイトと2人。

 俺の気も知らない爽やか系イケメンは身振り手振りのリアクションをしながら話している。

 事情を知らないのだから当てつけでしかないけど、物語の表は楽しそうで羨ましいよ。


「『時間の無駄だった。費やすだけの価値はない』ってバッサリ」

「あのときは考え直していた感じじゃなかった?」

「僕もそう見えたけど、実践したうえで反論されちゃうと何も言い返せない」

「憶測から、実体験を踏まえた感想になるからな」


 とはいえ今日という日の時間を稼いでくれた功績に対しては、素直に物凄く感謝している。

 謎でしかない、カリナの思考と行動を誘導してくれたからこそ、美少女とのデートという神イベントを無事に終えることができた。


 でも不思議なことも起きるものだな、結果はどうあれ、あのカリナが自身の考えを改めようと試みるなんて。


「少し残念ではあるけど、行動してくれたことは素直に嬉しいよ」

「あの姉さんが行動するって、本当に奇跡みたいなものだからね」

「逆に、カイトもそろそろ自分の時間を大切にしてみてもいいんじゃ?」

「それは常々思っていることではある」


 椅子にドスッと腰を下ろし、ため息を吐き出しながら肩を落とすカイト。


「まさか全員から告白されることはないだろうから、終わるのを待ってる?」

「いつか止まってくれたらいいな、という希望は抱いている」

「モテるのは羨ましいけど、気苦労を間近で見ているから何とも言えなくなってきた」

「同情してくれる人が居るだけで救われるよ」


 カイトの顔は、完全に疲れている人のソレだ。

 無理もない。今日の告白イベントは走りに走ったわけだし。

 そうじゃなくても、日々の告白イベントでも走り回っているから疲れもするだろう。

 身体強化魔法をものにできたら少しは変わるだろうから、時間で解決するしかない。


「それにしても、そんなに告白を断っているのに変な噂が立たないのも凄いな」

「自分のことだけど、たしかに」

「普通、いや普通という言葉は合っていないだろうけど。告白を断りまくってたら、当事者の友人が変な噂を流したり恨まれたりしてもおかしくはないと思うけど」


 真っ先に思い浮かぶのはクラスメイト。

 一番乗りは誰かわからないけど、ただ話をしているだけで注目されているぐらいだ、告白している人が居てもおかしくはない。

 でも、鋭い眼差しや憎しみが籠った目線、悪意なんてものは何一つとして感じられなかった。


 俺は気配を全部察知できる能力なんてないし、心の中を読めるわけでもない。

 表に出さないだけの人も居るかもしれないが……そんな気配もなさそうではある。


「まさかだけどさ」

「ん?」

「全員の告白をキープしてる、なんてことはないよね」

「そんなことするわけない」

「そりゃあそうだよな。ごめん」


 少し眉をピクッと動かしたの見て、さすがに失礼だったと反省する。

 カリナに対し嘘とは思えない心情を吐露し、信念に近いものを伝えていた。

 そんな、相手に心から寄り添うような人間が外道を進むはずはない。


「でも正直、そこまでモテるって大変だよね」

「気苦労が絶えないのは事実だね」

「しかし、そろそろ誰かと付き合ってみるってことはしないの? モテまくるのに彼女が1人もできなかった、なんて悲しくない?」

「まあ……そこは難しいところだよね。誠意がないことはしたくないし」

「うーむ」


 嬉しい悲鳴なのか、本当に悩んでいるのか。

 照れ笑いにも近い作られたソレは、どういった意味が込められているのだろう。


 少なくとも全員に対して誠意で対応しているからこそ、悪い流れができていないのだろうけど。


「それ以前に、誰か異性を好きになった子とはあるの?」

「恥ずかしい質問を直球でしてくるね」

「回りくどくても気を遣うだけでしょ」

「それはそうだけど。あるよ、1度だけ」

「ほーう。これは濃厚な恋愛話を聞ける流れか?」

「年齢を考えてよ。小さい頃の話さ」

「価値は大きいぞ? モテ男の初恋なんて、誰もが気になる話題だ」


 どこかで話のネタになる可能性もあるし、主に俺がこれからの人生で参考になるかもしれない。

 モテ期が来るかは置いておいてね。


「小学低学年って、男子もそこそこだけど女子の方が体の成長も少し早いけど、気持ちの面も同じだったでしょ?」

「あー、なんとなく思い当たる節はチラホラとある」

「そうだよね、僕よりもミナトの方が身近で体験しているから想像しやすいと思う」

「家で喧嘩になったら、抑え込まれて地面に押し付けられてたからな」


 そんな記憶はないけど、あっちの世界で起きた実際の事件を参考にしている。

 学校でも同級生同士が喧嘩になったとき、男子は威勢だけはいいものの、取っ組み合いになったらまず女子に負けていた。


「で、恥ずかしい話だけど。いちゃもんをつけられて喧嘩を吹っかけられたときがあってね」

「小さい頃からモテてたから、好きな女子を取られたと勘違いからの流れっぽいな」

「実際にその通りだったよ。しかも相手は複数人で」


 いつの時代も、どの世界でも。

 1人では何も言えない人間は、群れを作って相手を威嚇するもんなんだな。


「小さいながらに言われている内容が納得できなかったけど、反論できなかったし、反撃する理由も思いつかなくて。そんなこんなしていたら、囲まれてボコボコ殴られ蹴られ」

「聞いているだけでも痛々しいな」

「気持ちが落ち着いたら帰ってくれるだろう、と地面で丸くなって耐え続けていたんだ」


 和解を諦めた結果の耐え、なのだろうが。

 あまりにも残酷というか、子供だからと許されるような問題でもないと思う。

 後から復習されても文句言われないだろ、その一件。


「偶然だったと思うけど、1人の女子が駆けつけてくれて。話し合いなんかせず、殴って蹴って噛み付いて反撃してくれたんだ」

「あまりにも勢いが凄い話だな」

「僕も当時は理解が追いついていなかったからね。暴力が止んだんと思ったら、次に聞こえてきたのは悲鳴だったから」

「視界の外であり意識の外から急に攻撃されたらビビるもんな」


 そう考えると、今は平和だけど過去にはそういった経験をしていたのか。

 というか、これから先にそういった件が起きる可能性もある、とも言えるわけだが。


 やっぱりモテモテって憧れていたけど、実際に苦労している人が間近にいると別にいいやって思えてきた。

 この世界にあるかわからないが、『背後から急に包丁で刺される』なんて事件も起きそうで怖い。


「最後まで顔を見ることはできず、逃げる男子を追いかけて行ったから誰かもわからなかったけど」

「その過ぎ去る背中と雄姿に恋をした、ってことか」

「うん――なかなか恥ずかしいね、自分の初恋を話すって」

「流れで聞いたけど、まあそうだよな。教えてくれてありがとう」


 その女子、あまりにも男気がありすぎるというか、素直にかっこいいな。

 あれでしょあれ。

『誰かのピンチに偶然駆け付け、名前も言わずにその場を去る』、的な感じのやつ。

 実は俺もミーシャを助けた際にやってみたかったけど、いろいろと思考が追いついていなくてできなかった。

 アリサのときもやろうとしたけど、どっちにしても顔を見られている時点で身バレするのは時間の問題だったよな。


 いつかはやってみたい、憧れだ。


「でもそれっきり誰も好きにならないなんて、随分と一途なんだな」

「そんな綺麗な話じゃないさ。諦めて、でも次に進めないだけだよ」

「美談でしかないと思うけど。だがそうだな、誰かに催促されてする恋愛ってなんだよって話でもある」

「そういうこと」


 恋愛経験のない俺にはアドバイスのしようがない。

 イケメンでモテモテだからといって悩んでいないなんてことはないってこだな。


 それにしても、ゲームを遊んでいるときにこんな会話ってあったか?

 授業中に大熊が襲撃してきた件や、さっきの変質者襲撃事件もそうだけど。

 知識がないイレギュラーなイベントっぽいことが起きると、俺の頭だと思考が追いつかないから勘弁してほしい。


 と、さっきのことを思い出したら体が熱くなってきた。


「そ、そろそろ勉強しようかな」

「わかった。じゃあ、また明日」


 言葉に詰まりそうだったけど、疑われずに済んだ。

 さて、この火照り始めた熱を解消するべくゲートへ八つ当たりに行こう。

ここまで読み進めていただき、本当にありがとうございます!


もしよろしければ、


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この2点を、ポチポチっとしていただけると幸いです。


読者の皆様から応援していただけるだけで、モチベーション維持や執筆の励みとなります!

より多くの皆様へこの作品が届いてほしいと思っていますので、どうかお力添えいただけないでしょうか!


まだまだ更新していきますので、どうかよろしくお願い致します!!!!

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