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エンドコンテンツ裏ボスである主人公の親友に転生した俺、最強だがいずれ敗北が確定しているため、ハッピーエンドを目指して学園生活を謳歌する  作者: 椿紅颯
第三章

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第17話『逆に本気を見せてもらえるかい?』

「――30」


 それにしても、やはりゲート内はモンスターの巣窟という認識であっているのだろうか。


 単純に強化されていて数が多い。

 モンスターの習性として夜は活性化する、という事実は知っているが、無限に湧いて出てきている気さえしてくる。

 ゲート内に入ってまだ数分だけど、既に30体討伐した。


 ……で、陰と陽は1体とも交戦せず。

 あろうことか、目が合ったモンスターは回避し、俺に倒させるという主従関係を疑う行動をしている。


「そうだ。逆に本気で戦ったら、どれぐらい強いんだ?」


 ふと、そんな疑問が浮かんで言葉に出してしまった。


 エンドコンテンツルートで戦闘するのは、ラスボス戦だけで能力全てを披露したとは考えにくい。

 把握している能力は、装備に変身すること、昼間に洞窟で熊のモンスターを討伐したときに見せた『白い刃』と『黒い円』を飛ばす魔法を行使すること。

 もう、それ以外は必要ないぐらいの性能だけど、まだまだ能力を扱えるはずだ。


「ちょっと見せてよ。遊びたいでしょ?」

『カーッ!』

『ピュッ!』

「元気でよろしい」


 未来を考えると緊張感が漂っていてもいい状況ではあるが、現状で伝わってくる緊張感なんてありはしない。

 モンスターも1撃で倒せるし、まだまだ余力を残しているから。


 しかし“本気で”とは言ったものの。

 このゲート内で木々をなぎ倒してしまった場合、どうなってしまうのだろうか。


『カーッ!』

「うっほ」

『ピーッ!』

「わーお」


 俺が思考を巡らせる時間の余裕はなかった。

 なぜなら、やる気に満ち溢れた鳴き声の後、それら対象を含みモンスターたちもボッコボコのメッタメタになってしまったからだ。


 言うまでもなくモンスターは瞬殺だったが、視界を遮っていた木々までもが粉々に砕け飛び散ってしまった。


「強すぎるだろ」


 率直な感想を零すも、陰と陽は疲弊している様子を見せることなく、早々に次の標的を探しに前進。

 俺は引き続き後方から観察をし続けるつもりでいる。


 プレイヤーとしてラスボスと戦闘したとき、あの2匹は間違いなく本領を発揮しきれていなかったことがわかった。

 今の姿と防具の姿、どちらが本来の姿かわからないけど、攻防一体であることは確かだ。

 攻撃手段も、今のところは洞窟で披露していた『白い刃』と『黒い輪』を飛ばすことのみ。


『ンガァ!』


 お。

 中ボスの、黒いオーラを身にまとった、灰色な毛皮の狼モンスターだ。

 あれぐらいだったら、別の攻撃――。


「……」


 ははっ、一瞬で消滅しちまったよ。

 さっきまでの攻撃手段のまま、何も変わらず。


 まあそうか。

 あの様子から察するに、このゲート内に出現するモンスターは反撃すらされず倒せてしまうわけだ。


『ガァ!』


 ほら、また死んだ。

 あれだったら、ボス相手でも余裕だろうし、朝飯前ってやつだろう。


 でも逆に考えたら、恐ろしい話だけど……あの攻撃が、陰と陽にとっての基礎もしくは一番手軽な攻撃手段ということになる。

 手軽に地形を変える攻撃って何? という疑問は置いておいて。

 だから、「本気を見たい」という要望を叶えようにも、陰と陽が本気を出せる相手じゃないと意味がないということか。


『ピィー』

『ンカー』


 悠々と滑空して、くるくる水平に飛んだり、ホバリングしたり、クルッと垂直に回旋したり。

 遊びながらモンスターを蹴散らしている様子を窺えて、主としては楽しそうで心が休まるよ。


 ペットを飼ったことはないし、陰と陽がペットと言っていいのかわからないけど癒されるからいいとしよう。


「それにしても、随分と見晴らしがよくなってしまったな」


 俺は間違いなく“森”を移動していたはずなのに、気が付いたら見通しのいい通路が出来上がってしまっていた。

 もはや災害レベルの状況は、ゲートの外まで影響が出ていないことを祈りしかできないな。


「陰、陽。戻ってきて」

『カーッ』

『ピィ―』


 余裕で片づけられると決めつけ、さらにゲートの外に影響は出ないとも決めつけ。

 であれば、追加で試してみたいことがある。


「これからボスとの戦闘が終わるまで、装備に変身してもらってもいいかな」


 すると、返事はなく陰と陽はすぐ装備になった。

 たぶん1秒もかかっていない。


「なるほど、要望を出せばこんなに早くできるのか」


 初めてのときは驚きの連続で冷静に観察できなかったけど、今なら凄さを実感できた。


 漆黒のタキシードスーツにワイシャツとベストに加え靴も変わり、純白な手袋と背中にフード付きのマント。

 ここまでくると、もはや誰かは――。


「仮面があった方がいいよなぁ。わお」


 呟いただけなのに、瞬きを終えた頃には顔半分を覆う仮面が出現していた。

 しかも何が凄いって、あることは認識できるのに付け心地を感じないところ。

 装着されているのに、装備同様に羽みたいな軽さをしている。

 いや、もはや装備していることを忘れてしまうぐらいだ。


「え、もしかしてだけどさ。色を統一させることもできるの?」


 まさかね。

 今が白と黒でわかれている――。


「わお。わお。わお」


 手袋に目線を向けてみると、パッパッパッと交互に色が瞬時に切り替わっている。


「す、凄い。便利すぎる。そして優秀すぎる」


 効果については――今はいいだろう。


「じゃあ今回は、夜に紛れるために黒でいこうか」


 そう言い終えると同時に【闇裁の破壊ダークネス・デストロイ】も右手に出現させる。


「さあ、このままゲートのボスを探しに行こう」


 道中の敵など眼中になし――!

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