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エンドコンテンツ裏ボスである主人公の親友に転生した俺、最強だがいずれ敗北が確定しているため、ハッピーエンドを目指して学園生活を謳歌する  作者: 椿紅颯
第三章

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第16話『寮を抜け出し夜の世界へ飛び出す』

 目的は達成されたから、次の行動を起こそう。


 なぜなら、このエンドコンテンツのラスボスであるミナトには裏の顔があり。

 完全に後出しの設定ではあるが、中盤から能力が覚醒し始めてから行動が変わる……という事実は終盤で知る。


 それがキッカケで闇落ちすることになり、世界を破滅させる強大な存在へと変貌していってしまう。


「じゃあ、不安要素を序盤で摘み取ってしまえば結末が変わるはず」


 ということで、完全に陽が沈みきった暗闇の中――俺は森の中を相棒たちを両肩に乗せ歩いている。

 約束をしたわけじゃないけど、自分の中で決めていた通り2匹の名前は決めた。


「陰」

『キーッ』

「陽」

『カーッ』


 漆黒の鷲を【陰】とし、純白の烏を【陽】と名付けた。


 元々の存在的には真逆ではあるけど、羽の色しかり能力しかりを判断材料にした。

 言葉を理解していて意思疎通ができるが、人間の言葉を話すことができないから気に入ってくれているか判断が付かない。

 怒っている様子ではないから、大丈夫……だよね。


 何かと森が多く、それぞれ生活圏内から遠ざかるにつれてモンスターが生息している。

 棲み分けができているといえば聞こえはいいが、まあゲーム特有のご都合主義とやらだろう。

 もっと先のイベントで、モンスターが街を強襲したり学園が襲撃されたりもするし。


「――あった」


 能力を確認するわけでも、経験値を稼ぐわけでもない。

 俺が森を進んでいたのは、この元凶であるゲートもといダンジョンを攻略すること。


 エンドコンテンツでも主人公視点で物語の大半を進行していたから、この黒いモヤモヤな楕円形なものがゲートなのは正確じゃないかもしれない。

 だから、こうやって散策するかたちで歩き回っていた。


 あったらよかったもの、ぐらいだったけど……。


「見つけたのなら、片付けないとな」


 準備を整えるため【聖裁の破壊ジャッジメント・デストロイ】を左手に出し、【闇裁の破壊ダークネス・デストロイ】を右手に出す。


「陰、陽、俺の横と後ろの警戒を頼む」

『カーッ』

『キィッ』


 全身を最強の装備で固めているのに、心の準備はできていない。

 正直ビビってるけど、ゲートに向かって足を進める。


 ゲートへ触れる瞬間に目を閉じてしまったけど、内側へ進入成功。


 と、明確な自覚はなく、見渡す景色に変化があるわけではなかった。

 普通に地面はあるし、木々も生い茂っていて、夜空は広がっていて。

 空気が重くなっているわけでもなく、冷たい風が吹いているわけでもない。


「……」


 しかし変化は感じる。


 さっきまではなかった、薄っすらと黒い霧が漂っていて――。


「くる」


 俺は腰を落とし、正面から迫ってくる何か(・・)に備える。


『ガウアウッ!』

「はぁっ!」


 飛び込んできた勢いと俺が振った漆黒の剣が衝突し、モンスターは1撃で討伐できた。


 強襲してきたのは、今朝討伐して狼型モンスター。

 黒い毛並みに変化はなかったものの、辺りに漂っている黒い霧をまとっていたように見えた。

 ゲームだったらログで確認できるが、今は感覚的なもので探っていくしかない。

 昼間は魔法で一方的に倒していたから、なおさら強さを図ることができないという……。


「ん――囲まれてる」


 探知系の魔法を発動させていないのに、気配だけで感じ取ってしまった。

 しかし陰と陽が知らせてくれないのは、何かあるのだろうか。


「全部で10体ぐらいか」


 せっかくだ、昼間は試すことができなかった全速力を試してみよう。


「――っ!」


 まず正面へ跳び出し、勢い余って着地しながら通過するついでに1体。

 足を止めず、次、次、3体目。

 地面に着地するより、木を足場にした方がよさそうだ。


「ふんっ!」


 いい、いい!

 通過する途中で剣を振り、木に着地し、すぐ跳び、これを繰り返す。


「まだ加速できそうだな」


 試行錯誤しながらではあったものの、10体を討伐。

 ステータスのおかげで、攻撃の方は無意識に近い感覚で大丈夫そうだ。

 剣を振ってはいるが、もはや薙いでいるというより撫でただけで敵が消えていく。

 たぶん剣の補正とかも入っているだろうし、これぐらいだったら拳でも十分だったかもしれない。


「といか、倒してくれてもいいからね?」


 と、陰と陽に疑問を投げかけるも。

 跳びながら首を傾げ、「なんのこと?」と言わんばかりの反応が返ってきた。

 疑問を疑問で返されて、俺はさらに困惑する。


「え、もしかしてだけどさ。俺が余裕そうなら対応しない感じ?」

『カーッ!』

『ピーッ!』

「お、おう。そういう感じね」


 元気のよろしい返事に、理解はしたくないけど納得するしかない。


 そりゃあステータス的にも装備的にも余裕な状況で、わざわざ手を貸す必要がないのだろう。

 でもさ、ほら、ね?

 俺の中身は戦闘素人丸出しな、一般人でもあり、ただの高校生だよ。

 調子がいい感じだし、試行錯誤して思考を巡らせていたから平静を保っていられるけど、戦闘開始直後までビビってたからね?


 と必死に伝えても、たぶんわかってもらえないのだろう。

 トホホ……と肩を落とす表現は、まさにこのこと。


「まだ目的は果たされていない。ボスを探そう」


 ゲートを閉じるには、ボスを討伐しなくちゃいけない。

 抜け出すことはできるけど、それは開きっぱなしのまま放置することになる。


 この作業を繰り返し、出現する速度に対応が追い付かなくなってしまったタイミングで、知らずにゲート内へ入ってしまった人が死んでしまう事件を目の当たりにしてしまう。

 しかもミナトは独りでこの現象に立ち向かっていたから、感情も抱え込むしかなく。

 罪悪感と責任感に押し潰されていき、孤立して闇落ちと暴走モードへ突入していってしまう。


 無理もない。

 俺は最初から能力を把握して実質的に暴れているけど、ゲームキャラとしてのミナトは、それすらも疑心暗鬼で本領発揮することができない状態で戦っていた。

 だったら、今の俺よりも何倍――いや、何百倍以上も苦戦して悩んだだろう。


「救いがなさすぎるよな。よくもまあ、こんなにも残酷なシナリオを考えるもんだ」


 でも今は、最初から力を宿していた設定にしてくれて感謝。


 このまま進め続け、ハッピーエンドへ無事に辿り着いてみせる!

ここまで読み進めていただき、本当にありがとうございます!


もしよろしければ、


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この2点を、ポチポチっとしていただけると幸いです。


読者の皆様から応援していただけるだけで、モチベーション維持や執筆の励みとなります!

より多くの皆様へこの作品が届いてほしいと思っていますので、どうかお力添えいただけないでしょうか!


まだまだ更新していきますので、どうかよろしくお願い致します!!!!

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