第47話 魔王ヴァルナの日常、再び
世界の守護者セラフィアが去ってから数日。
魔王城は、久しぶりに“平和な日常”を取り戻していた。
「……はぁ……
やっと……落ち着いた……」
ヴァルナは玉座に座り、ぐったりしていた。
(まあ、世界の理を変えた後だしな。疲れるのも当然だ)
宝玉が光る。
「ひゃああああああああああ!!」
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ミュリエルが書類を抱えて駆け寄ってきた。
「魔王様! 今日の予定ですが——
王国からの“友好条約案”が届いております!」
「えっ!?
王国と友好!?
あの筋肉部隊の!?」
「はい!
“筋肉は世界を繋ぐ”という謎の理念のもと——」
「なんでぇぇぇぇ!!」
(いや王国はまだ筋肉路線なのかよ)
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ガルドが続けて報告する。
「魔王様!
魔族の村から“魔王様の像”が完成したとの報告が!」
「えっ!?
私の像!?
どんなの!?」
「“闇をまとい世界を守る魔王”をイメージしたそうです!」
「かっこいい……!」
(いや実物は泣き虫魔王だけどな)
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バルゴが胸を張って言った。
「魔王よ!!
筋肉像も作るべきだ!!
魔王の筋肉を讃える像を!!」
「筋肉ないよぉぉぉ!!」
(いやバルゴの中では魔王=筋肉が確定してるな)
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そこへ、ひょこっと猫が現れた。
「にゃあ」
「ひっ……!」
ヴァルナが反射的に俺を握りしめる。
「ま、また宝玉が光るの……!?」
宝玉が光る。
「ひゃああああああああああ!!」
(いや猫が来るたびに光るのどうにかならないのか)
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ミュリエルが微笑む。
「魔王様……
世界に認められた今、
魔王城は“平和”そのものです」
「……そっか……
私……魔王になれたんだ……」
(ああ。
お前はもう、立派な魔王だ)
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ガルドが言った。
「魔王様!
これからどうされますか?
世界を守る魔王として……!」
ヴァルナは少し考えて——
「……まずは……」
「まずは……?」
「お昼寝したい……!」
(いや魔王の最初の仕事が昼寝かよ)
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バルゴが叫ぶ。
「魔王よ!!
昼寝の前に筋肉トレーニングだ!!」
「やだぁぁぁぁぁ!!
私は魔王なのぉぉぉ!!」
(いや魔王でも筋トレは嫌なんだな)
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ミュリエルが笑いながら言った。
「魔王様……
これからは“守る魔王”として、
ゆっくり歩んでいきましょう」
「うん……!」
ヴァルナは小さく頷いた。
「私は……弱いし……怖いし……
でも……魔王として……
みんなを守りたい……!」
(……お前、本当に強くなったな)
宝玉が光る。
「ひゃああああああああああ!!」
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こうして、
世界に認められた“新しい魔王”の、
ちょっと騒がしい日常が再び始まった。




