第46話 魔王ヴァルナ、世界に認められる
世界の守護者セラフィアとの最終決戦が終わり、
魔王城には静かな風が吹いていた。
光の剣は砕け、
世界の断罪は消え、
セラフィアは膝をついたまま、ヴァルナを見上げていた。
「……魔王ヴァルナ。
あなたは……“真の魔王”です」
「……!」
(ついに……正式に認められたな)
宝玉が光る。
「ひゃああああああああああ!!」
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ミュリエルが涙を流しながら駆け寄る。
「ま、魔王様ぁぁぁ!!
本当に……本当に……!!」
ガルドも感極まって叫んだ。
「魔王様が……世界に勝ったぁぁぁ!!」
「勝ったって言い方やめてぇぇぇ!!
戦いたくなかったのぉぉぉ!!」
(いや気持ちは分かる)
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バルゴは筋肉を震わせながら言った。
「魔王よ!!
筋肉で世界を救ったな!!」
「筋肉じゃないよぉぉぉ!!」
(最後までブレないなバルゴ)
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セラフィアはゆっくり立ち上がり、
ヴァルナに手を差し伸べた。
「魔王ヴァルナ。
あなたの闇は……
世界の理を変えました」
「理を……変えた……?」
「はい。
“魔王=破壊”という概念は……
あなたの存在によって揺らぎました」
光の翼が柔らかく揺れる。
「あなたは……“守る魔王”。
世界は……あなたを拒めません」
(おい、世界の設定が書き換わったぞ)
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ヴァルナは涙をこらえながら言った。
「……ありがとう……
セラフィアさん……」
「礼を言うのは私の方です。
あなたが……世界に新しい可能性を示した」
セラフィアは微笑んだ。
「魔王ヴァルナ。
どうか……この世界を……」
「うん……!
守るよ……!」
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その時、空が静かに光った。
世界の意志が、
ヴァルナを“魔王”として正式に認めた証だった。
「……あれ……?」
ヴァルナの影が、柔らかく揺れた。
「魔王様……!
影が……安定しています……!」
「世界が……魔王様を拒んでいない……!」
(つまり……世界が“魔王ヴァルナ”を受け入れたってことだ)
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セラフィアは深く頭を下げた。
「魔王ヴァルナ。
あなたは……世界に必要な存在です。
どうか……これからも……」
「うん……!」
ヴァルナは胸を張った。
「私は……弱いし……怖いし……
でも……魔王として……
みんなを守りたい……!」
(……お前、本当に立派になったな)
宝玉が光る。
「ひゃああああああああああ!!」
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セラフィアは空へと戻る前に、
静かに言葉を残した。
「魔王ヴァルナ。
あなたの物語は……ここから始まります」
「えっ……?」
「“守る魔王”としての物語が」
光の翼が広がり、
セラフィアは空へと消えていった。
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ミュリエルが涙を拭きながら言った。
「魔王様……!
本当に……本当に……
世界に認められたんですね……!」
ガルドも笑顔で言った。
「これで……魔王軍も……
胸を張って生きていける……!」
バルゴは筋肉を震わせた。
「魔王よ!!
筋肉の時代が来るぞ!!」
「来ないよぉぉぉ!!」
(いや来ないでほしいな)
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ヴァルナは空を見上げた。
「……私……
本当に……魔王になれたんだ……」
(ああ。
お前はもう、立派な魔王だ)
宝玉が光る。
「ひゃああああああああああ!!」




