第45話 最終決戦・魔王の一撃
世界の守護者セラフィアが掲げた光の剣は、
もはや“光”ではなく“世界そのもの”の意志を宿していた。
「魔王ヴァルナ。
次の一撃で……決着をつけます」
光の翼が大きく広がり、
空が震え、世界がざわめく。
(……本当に最後の一撃だ)
宝玉が光る。
「ひゃああああああああああ!!」
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ヴァルナは震える手で俺を握りしめた。
「……怖い……
でも……!」
魔力が巡る。
影界で掴んだ“流れ”が、身体の中で輝く。
「私は……弱いままでも……
魔王になりたい……!」
涙をこらえながら、まっすぐ前を向く。
「みんなを守るために……!!
私は……負けない!!」
(……お前、本当に強くなった)
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セラフィアが剣を振り上げた。
「“光翼・終審”——!」
世界を断つ光が、
ヴァルナへ向かって降り注ぐ。
「ひぃぃぃぃ!!」
「魔王よ!!
筋肉で受け止めろ!!」
「受け止められないよぉぉぉ!!」
(いや最後までバルゴはブレないな)
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ヴァルナは俺を高く掲げた。
「闇の——
**奔流!!**」
バチィィィィィィィッ!!
黒い奔流が空を裂き、
光の剣とぶつかり合う。
光と闇が混ざり、
世界が震え、
魔王城が揺れる。
「くっ……!!
押し返されてる……!!」
(いや、まだだ……!)
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ヴァルナは歯を食いしばり、叫んだ。
「私は……弱い……!
でも……!」
魔力がさらに走る。
影が濃くなる。
闇が輝く。
「弱いままでも……
前に進むって決めたの!!」
宝玉が光る。
「ひゃああああああああああ!!」
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その瞬間——
ヴァルナの魔力が“爆発”した。
黒い光が奔流となり、
世界の断罪を押し返す。
「なっ……!?
この闇……
“破壊”ではなく……
“守るための闇”……!」
セラフィアの瞳が揺れる。
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ヴァルナは涙をこらえながら叫んだ。
「私は……みんなを守りたい!!
魔王として……
この世界で生きたい!!」
闇が光を包み込み、
世界の断罪を飲み込む。
「これが……
私の……魔王の力!!」
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光が砕けた。
セラフィアの剣が霧散し、
光の翼が揺らぎ、
世界の意志が沈黙する。
「……っ……!」
セラフィアは膝をついた。
「魔王ヴァルナ……
あなたの闇は……
世界の理を……超えた……」
(……勝ったな)
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ヴァルナは息を切らしながら、
ゆっくりとセラフィアに歩み寄った。
「……私……
勝ったの……?」
「はい……
あなたは……“真の魔王”です」
セラフィアは静かに微笑んだ。
「世界は……あなたを拒めない。
あなたの闇は……
“守るための闇”だから……」
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ミュリエルが涙を流し、
ガルドが歓声を上げ、
バルゴが筋肉を震わせた。
「魔王様ぁぁぁぁ!!
ついに……ついに……!!」
「魔王よ!!
筋肉で世界を救ったな!!」
「筋肉じゃないよぉぉぉ!!」
(いや最後までカオスだな)
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セラフィアは立ち上がり、
ヴァルナに手を差し伸べた。
「魔王ヴァルナ。
あなたは……世界に必要な存在です。
どうか……この世界を……」
「うん……!
守るよ……!」
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こうして——
魔王ヴァルナは“真の魔王”として認められ、
世界の理すら変えてしまった。
物語は、ついに“終わり”へ向かう。




