第43話 魔王ヴァルナ、覚醒
世界の守護者セラフィアが放つ“光翼・終審”。
それは世界そのものが下す“断罪”の一撃だった。
空が裂け、光が世界を覆い、
魔王城の大地が震える。
「ひぃぃぃぃ!!
こんなの……受け止められないよぉぉぉ!!」
「魔王よ!!
筋肉で受け止めろ!!」
「受け止められないよぉぉぉ!!」
(いやバルゴの声が最終決戦の空気を破壊してるな)
宝玉が光る。
「ひゃああああああああああ!!」
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ヴァルナは必死に俺を構えた。
「闇の……盾!!」
バチィィィッ!!
黒い光が広がり、
光の刃をギリギリで弾く。
しかし——
「くっ……!
押されてる……!!」
光は闇を削り、
盾が軋み、ひびが入る。
(まずい……このままじゃ押し負ける)
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セラフィアは静かに言った。
「魔王ヴァルナ。
あなたの“闇”は確かに強い。
しかし——」
光がさらに強くなる。
「“世界”は、あなたを拒んでいる」
「そんなの……分かってるよ……!」
ヴァルナは涙をこらえながら叫んだ。
「でも……私は……!」
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光が迫る。
闇が押し返す。
世界と魔王の力がぶつかり合う。
その時——
ヴァルナの胸の奥で、
何かが“カチリ”と音を立てた。
「……あれ……?」
(おい……これは……)
宝玉が震え、
黒い光が脈打つ。
「ひゃああああああああああ!!」
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ヴァルナの魔力が、
これまでとは比べ物にならないほど“滑らか”に流れ始めた。
走るように。
巡るように。
世界の拒絶すら飲み込むように。
「……魔力が……
流れてる……!」
(そうだ……それが“魔王の魔力”だ)
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ヴァルナは涙を拭き、
まっすぐ前を向いた。
「私は……弱いままでも……
魔王になりたい……!」
魔力が走る。
影が戻る。
闇が輝く。
「みんなを守るために……!!
私は……負けない!!」
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黒い光が爆発した。
闇が光を押し返し、
世界の断罪を飲み込む。
「なっ……!?」
セラフィアの瞳が揺れた。
「この魔力……
“破壊”ではなく……
“守るための闇”……?」
(そうだ……これが“魔王ヴァルナ”だ)
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ヴァルナは俺を高く掲げた。
「闇の——
**奔流!!**」
バチィィィィィィィッ!!
黒い奔流が空を裂き、
光の翼を押し返す。
世界の守護者が、初めて後退した。
「……っ……!
これほどの闇……
世界が……揺らぐ……!」
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セラフィアは震える声で言った。
「魔王ヴァルナ……
あなたは……“世界に拒まれた闇”ではない……
“世界を守る闇”……?」
「うん……!」
ヴァルナは涙をこらえながら笑った。
「私は……弱いし……怖いし……
でも……みんなを守りたい……!
そのために……魔王になりたいの!!」
(……お前、本当に強くなったな)
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セラフィアは剣を下ろした。
「……魔王ヴァルナ。
あなたの闇は……
世界の理を……変えようとしている……」
光の翼が揺れ、
世界の意志が迷い始める。
「私は……
あなたを……試し続けるべきなのか……
それとも……」




