第34話 王国筋肉部隊 vs 魔王城
王国筋肉部隊が雄叫びを上げながら魔王城へ突撃してくる。
魔王城の前は、もはや戦場というより**筋肉祭り**の様相を呈していた。
「うぉぉぉぉ!!
筋肉で魔王を倒すぞぉぉぉ!!」
「やめてぇぇぇぇぇ!!
私は筋肉で強くなってないのぉぉぉ!!」
(いや誤解が深刻すぎるだろ)
宝玉が光る。
「ひゃああああああああああ!!」
---
バルゴが前に出て、王国軍を見渡した。
「ほう……筋肉の匂いがする……!」
「誰だお前ぇぇぇ!!」
「私はバルゴ=マッスルロード!!
魔王の筋肉師範だ!!」
「やっぱり魔王は筋肉で強くなっているのか!!」
「当然だ!!
筋肉は全てを解決する!!」
「やっぱりぃぃぃ!!」
(いやバルゴが誤解を確信に変えてるぞ!!)
---
ヴァルナが慌てて前に飛び出した。
「違うのぉぉぉ!!
私は魔力で強くなったのぉぉぉ!!
筋肉じゃないのぉぉぉ!!」
「魔力も筋肉から生まれる!!」
「生まれないよぉぉぉ!!」
(いやバルゴのせいで話が進まないな)
---
王国軍の隊長が叫んだ。
「魔王よ!!
筋肉で強くなったのなら、筋肉で勝負しろ!!」
「なんでぇぇぇぇぇ!!」
「筋肉勝負だ!!
スクワット対決を申し込む!!」
「なんでスクワットなのぉぉぉ!!」
(いや戦争の定義どうなってんだよ)
---
バルゴが胸を張った。
「よかろう!!
魔王よ、スクワットで勝負だ!!」
「やだぁぁぁぁぁ!!」
「魔王よ!!
筋肉から逃げるな!!」
「逃げるよぉぉぉ!!」
(いや魔王が筋肉から逃げるって何だよ)
---
その時、猫が横切った。
「にゃあ」
王国軍も魔王軍も一斉に固まった。
「……猫……?」
「魔王の使い魔か……?」
「いや……闇猫様だ……!」
「闇猫様!?
魔王の筋肉の源か!?」
「違うのぉぉぉ!!
猫は関係ないのぉぉぉ!!」
(いや猫が一番関係あるんだよな)
---
王国軍の一人が震えながら言った。
「ま、まさか……
魔王の筋肉は……猫から生まれているのでは……?」
「なんでそうなるのぉぉぉ!!」
「猫のしなやかな動き……
あれは筋肉の極致……!」
「違うのぉぉぉ!!」
(いやもう誰も話を聞いてないな)
---
そして、王国筋肉部隊は叫んだ。
「猫の筋肉を超えるぞぉぉぉ!!」
「にゃあ」
「うわああああああああ!!
猫が睨んだぁぁぁ!!」
(いや猫が一番強い扱いになってるぞ)
---
結局、王国筋肉部隊は猫の威圧(?)に耐えられず、
筋肉ポーズを決めたまま撤退していった。
「覚えていろ魔王!!
次はもっと鍛えてくる!!」
「来なくていいよぉぉぉ!!」
(いや世界が筋肉方向に進むのやめろ)
宝玉が光る。
「ひゃああああああああああ!!」
---
王国筋肉部隊の撤退後、ヴァルナは地面にへたり込んだ。
「……なんで……
なんで私の周りだけ……こんなにカオスなの……?」
(いやお前の周りだけじゃなくて世界がカオスなんだよ)
ヴァルナは涙目で俺を握りしめた。
「……でも……
次は……リュシアンの“最後の試練”なんだよね……」
(ああ。筋肉よりよっぽど危険だぞ)
宝玉が光る。
「ひゃああああああああああ!!」




