第26話 三人目の魔王候補、乱入! 魔王の成長を試す
ヴァルナが初めて“猫に吸い寄せられない魔法”を成功させた翌日。
魔王城は祝賀ムードに包まれていた。
「魔王様が猫以外に魔法を当てたぞー!!」
「歴史的快挙だー!!」
「闇猫様の次に偉大な成果だー!!」
「違うのぉぉぉ!!
私が偉いのぉぉぉ!!」
(いやもう訂正無理だろ)
宝玉が光る。
「ひゃああああああああああ!!」
---
## ■ その時、空が割れた(また)
突然、魔王城の上空に巨大な魔法陣が出現した。
「……また魔王候補……?」
「魔力反応……過去最大です!!」
(お、今度こそ“猫に強い”タイプか?)
宝玉が光る。
「ひゃああああああああああ!!」
---
## ■ 三人目の魔王候補、降臨
魔法陣から降りてきたのは——
筋肉。
筋肉。
そして筋肉。
全身が鎧ではなく筋肉で覆われた、巨大な魔族だった。
「……我が名は——
**バルゴ=マッスルロード**!!
魔王候補の一人である!!」
「強そう……というか……うるさそう……」
(いや名前の時点でうるさいな)
---
## ■ バルゴ、第一声からおかしい
「聞いたぞ!!
この城には“猫の魔王”がいるらしいな!!」
「違うのぉぉぉ!!
私が魔王なのぉぉぉ!!」
「ふむ……では貴様が猫か!!」
「違うぅぅぅ!!」
(いや何をどう聞いたらそうなるんだよ)
---
## ■ バルゴ、猫に強い(ただし理由がひどい)
「安心しろ!!
私は猫に強い!!」
「えっ……ほんと!?」
「なぜなら!!
**猫が私を見ると逃げるからだ!!**」
「それ強いって言わないぃぃぃ!!」
(いやただの相性最悪なだけだろ)
宝玉が光る。
「ひゃああああああああああ!!」
---
## ■ バルゴ、ヴァルの成長を試す
「さあ!!
新魔王よ!!
貴様の力、見せてみろ!!」
「うぅ……!」
(お前、昨日の成果を見せるチャンスだぞ)
宝玉が光る。
「ひゃああああああああああ!!」
---
## ■ 魔王、成長を見せる時
「闇の……矢!!」
バチッ。
黒い光が飛び出し——
壁に当たり——
天井に当たり——
床に当たり——
柱に当たり——
「……にゃあ」
猫が鳴いた。
しかし——
「……あれ?」
魔法は猫に向かわず、
**バルゴに向かって飛んでいった。**
「おおおおおおお!!
来い!!」
バルゴは胸を張って受け止めようとした。
ドガァァァァァン!!
「ぐわああああああああ!!」
バルゴが吹き飛んだ。
---
## ■ 魔王軍、騒然
「魔王様……!」
「猫に吸い寄せられなかった……!」
「ついに……猫の呪縛を……!」
「闇猫様の次に偉大な成果……!」
「違うのぉぉぉ!!
私が偉いのぉぉぉ!!」
(いやもう訂正無理だろ)
---
## ■ バルゴ、立ち上がる
「……ふっ……
見事だ、新魔王よ……!」
「えっ……!」
「猫に吸い寄せられず……
我が肉体を吹き飛ばすとは……
貴様……本物だ……!」
(いや基準が筋肉なんだよな)
宝玉が光る。
「ひゃああああああああああ!!」
---
## ■ バルゴ、認める
「よかろう!!
私は貴様を“魔王”と認める!!」
「えっ……!」
「ただし!!
筋肉が足りん!!
明日から筋肉修行だ!!」
「やだぁぁぁぁぁぁ!!」
(いや魔王に筋肉必要か?)
---
こうして、三人目の魔王候補バルゴはヴァルの成長を認め、
魔王城に新たな混乱をもたらすことになった。




