第24話 魔王、ついに修行の成果を見せる
修行開始から三日目。
魔王城の訓練場には、今日もヴァルナの悲鳴が響いていた。
「闇の矢ぁぁぁぁぁ!!」
バチッ。
黒い光が飛び出し——
壁に当たり——
天井に当たり——
床に当たり——
柱に当たり——
最終的に——
「にゃあ」
猫の頭上にふわっと落ちて消えた。
「なんでぇぇぇぇぇぇ!!」
(いやもう芸術点高いレベルで猫に吸い寄せられてるな)
宝玉が光る。
「ひゃああああああああああ!!」
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## ■ しかし、今日は違った
ミュリエルがメモを見ながら言った。
「魔王様、実は……昨日より“猫に吸い寄せられる速度”が0.3秒遅くなっています」
「えっ……ほんと!?」
(いや成長の基準そこなのかよ)
宝玉が光る。
「ひゃああああああああああ!!」
ヴァルナは目を輝かせた。
「じゃあ……私、ちょっとだけ成長してる……?」
「はい。猫に吸い寄せられる前に“ワンクッション”入るようになりました」
「やったぁぁぁ!!」
(いや喜ぶポイントおかしいだろ)
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## ■ 魔王軍も気づく
「魔王様……!」
ガルドが感動したように言った。
「今の魔法……猫に吸い寄せられる前に“壁に当たる回数”が増えていました!」
「それ成長なの!?」
「はい! 以前は三回でしたが、今日は五回です!」
(いやそれただの跳ね返りだろ)
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## ■ そして、ついに“奇跡”が起きる
「よし……もう一回やってみる……!」
ヴァルナは深呼吸し、俺を構えた。
「闇の……矢!!」
バチッ。
黒い光が飛び出し——
壁に当たり——
天井に当たり——
床に当たり——
柱に当たり——
そして——
「……あれ?」
猫の方へ向かわず、
**まっすぐ前に飛んだ。**
「……えっ」
「……えっ」
「……えっ」
魔王軍が固まった。
(おおおおおおおお!?)
宝玉が光る。
「ひゃああああああああああ!!」
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## ■ しかし、奇跡は一瞬だった
「にゃあ」
猫が鳴いた。
黒い光は急旋回し、
猫の頭上にふわっと落ちて消えた。
「なんでぇぇぇぇぇぇ!!」
(いや最後の最後で猫に吸い寄せられるのかよ!!)
宝玉が光る。
「ひゃああああああああああ!!」
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## ■ それでも、ヴァルは笑った
「……でも……!」
ヴァルナは涙目で笑った。
「今の……ほんの一瞬だけど……
猫に吸い寄せられなかった……!」
(……まあ、確かに)
宝玉が光る。
「ひゃああああああああああ!!」
「今の光り方……なんか……褒めてくれてるみたい……」
(いやまあ、そういうことにしておくか)
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## ■ 魔王軍も感動する
「魔王様……!」
「ついに……猫以外の方向に魔法が飛んだ……!」
「これは歴史的瞬間……!」
「闇猫様の次に偉大な成果……!」
「違うのぉぉぉぉぉ!!
私が偉いのぉぉぉ!!」
(いやもう訂正無理だろ)
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## ■ そして、ヴァルは決意を強める
「……でも……!」
ヴァルナは俺をぎゅっと握った。
「絶対に……猫に吸い寄せられない魔法を撃てるようになる……!
魔王として……ちゃんと強くなる……!」
(……お前、ほんと頑張るな)
宝玉が光る。
「ひゃああああああああああ!!」
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こうして、ヴァルの修行は小さな成果を見せ始め、
“猫依存魔王”からの脱却に向けて、確かな一歩を踏み出したのだった。




