第82話 無自覚無双
「ふう、これでスキル発動の速度が補完された」
「先ずは傀儡撃破といったところだね」
「次がくるよ」
傀儡撃破の次は上空から地割れを起こす奴が現れる。
「消えろ!」
俺と麗美はスキルを発動させてみんなへの攻撃を防いで、神八聖は魔法で衝撃を無効化した。同時に全員に浮遊スキルをかけた。
「ここまでは前回やった通りね。ここから未知の領域だ」
「なんだお前たちは、俺の自由を奪うってんなら、分かってるよな」
次の瞬間Ωの転生体は雷を放ってきた。
「これどうするの春樹」
「安心しろよこの程度全員分防げる」
「防ぐどころか私なら追撃を加える余裕もあるよ」
神八聖は攻撃を防ぎながら、魔法をΩの奴に放った。
「これは貫通魔法さ。防げるかな」
「ぐはっ、馬鹿な」
神八聖の魔法が直撃して、Ωの転生体は倒れた。
「ふう、浮遊スキルをずっと全員分発動するのも結構神経使うものですね」
「でもこれで目標は倒せましたか?」
「いや、ここからのようだ」
「まだあるの? 何だこれは」
次の瞬間俺たちがいるゲーム世界の構造自体が書き換えられた。
書き換えによって空間が変化していく中で、俺たちは3組に分断された。
「ふう、厄介な能力だねまったく」
「私は聖さんと一緒でしたか」
「そうでなかったら私は詰んでいたよ。他はどうなってる」
「なんだこれは」
「春樹氏」
「おう由愛」
「どうやら分断されたちゃったみたいだね」
「分断って厄介すぎるだろ」
「しかし私と春樹氏って最強コンビじゃん。こっちは大丈夫そうね。他のみんなは大丈夫かな」
「あれ、私達詰んでない?」
「それ口に出すことじゃないわよね」
「えへへ、何とかなるでしょ」
「麗美は素の麗美じゃないの。由愛も美織もいなしこれ能力使えないんじゃ」
「夏菜さんがいるじゃないの」
「私何にもできないからね?」
「それは私も同じよ」
「私も私も」
「なんでよりによってライズ様の元へ行けなかったのだ」
「あ羅琉さんもいたわね」
「どういうことだ」
「おそらく割れたわ、そしてうちらの組は最弱よ」
「は?」
神八聖の電子音声が頭の中をよぎった。
「みんな聞こえてるかい。どうやら私の感知魔法を使ったところ、分かれた組は次のようになっている」
夏菜、羅琉、麗美、里音
由愛、春樹
神八聖、美織
ということで4人チームが非常に戦力に不安なところなんだが、3人とも安心してくれ。羅琉は想像以上に頼りになる人物だ。いざとなったら彼女を頼るんだ。
電子音が切れた。
「大変だ、急いで4人グループの所に行かないと」
「そうもいっていられないみたいだよ」
「なんだ?」
目の前には少年が現れた。
「君たちはよく知っているよ。俺たちがαの奴と手を組んで面白いことをしようとしていたのに、その邪魔をしやがった奴らだよな」
「どうやらΩの転生体みたいだね春樹氏やっちゃって」
「任せとけよ」
俺はレベル100スキルの加速でΩの転生体を攻撃した。
「ぐはっ。なんだこの速さは。やはり強いな」
「どうした動きが止まって見えるぞ」
「うるさい、お前には勝てないことは分かってる。だからこそ戦力分散をしたんだよ」
「そうかよ、そしたら直ぐにお前を倒して分散した戦力の所に戻るまでだ」
「ぐはあ」
目の前の転生体を倒し終わった。
「うっそ、強すぎでしょ」
「まあ実力でいえば、γの転生体をちょっと強くしたくらい? SSRが分裂してRランクになった感覚だったわ」
「でも春樹氏の相手ではなかったと」
「やはり目的は麗美たちのようだね」
「ぐはっ」
「ふう、あまりにも手ごたえがないな」
「ふふふ、でも人質はとったぞ」
「ふう、やっぱり駄目だったか」
「どういうことですか聖さん」
「いいかい美織? こいつらは卑怯なんだ。非戦闘員の4人グループに戦力をそいで私達を雑兵で足止め、それで人質を取ったっていうことさ」
「大変です。急がないと」
「安心しなよ。羅琉には秘策があるんだよ」
「ちょっと、なんか敵が多すぎない」
「10人くらいいるわね」
「全員がγ適合者と同じくらいの強さだな。春樹を監視していたから分かる」
「ええ、それ詰んでるじゃん」
「安心しろ私にはライズ様から託された秘策がある」
「秘策って、遠隔接続器だ。これを使うことで美織さんと同じ機能を果たすことができる」
「なるほど、これは私の出番ね」
「ええ、里音先輩お願い」
「由愛との力をつないだ」
「どう麗美?」
「やあ夏菜ちゃん、私の力をご消耗で?」
「うわ、でた闇麗美」
「あははは、その表現面白、で? 私は目の前のこいつらを葬ればいいの」
「うんうん」
「任せなさい!」
「何だこいつ、話が違うぞ! こっちの組に戦闘員はいないんじゃないのか」
「当てが外れて残念でした。私が最強でした」
「うわあああああああ」
陰に飲まれたことで一瞬で10人のΩ転生体のHPが0になった。
「うっわえげつな」
「これは魔王城で私が相手していたら負けていたかもね。春樹が相手でよかったわ」
「あれ麗美さんなんですか」
「そうよ、闇麗美さんよ」
敵を倒し終えたあと麗美の影が消えていく。
「えーと、私なんかやっちゃいました?」
「なにその笑顔天使すぎ」
その場の三人はそうつぶやくしかなかった。




