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第65話 精神の支配権

「しかし突然すぎるし神八聖さんは何考えてるか分からないわ。今度休みの日に訪ねてみない?」


「そうだな。とにかく学校じゃない場所で問い詰めることに意味がありそうだ」


「ひとまず今週の平日は、私と麗美ちゃんはこのままで、春樹氏はいち早く美織という人物についての調査、それでいきましょう」


「分かった」




 その夜、再び俺はあの気配を感じた。


「あっちの麗美か」


「どうしたの? 学校があるのに起きていいの?」


「それはそっちも同じだろ?」


「これは一種の夢遊よ。本人はしっかりと睡眠をしているわ。私も本人が負担にならないように配慮して、こうしてあなたに話かけているのよ」


「そんな高等テクニックがあるのかよ」


「ええ、凄い技術でしょ? 私って結構器用なのよ?」


「なあ、お前と麗美はコミュニケーションをとっているのか?」


「どうしてそれを聞くのかしら?」


「前に里音先輩に麗美が話しかけた時、お前に切り替わろうとしたんだ。でも麗美はお前のことを知っていて、何も話さずにいた。これって麗美がお前を制御しているからできることだよな?」


「ふふふ、その通りよ! 私と麗美は意識下でコミュニケーションを取ってるの」


「いつからだ」


「それはゲーム世界から帰還してからだね。以前は私が完全に彼女の精神を支配していたんだけど、今じゃ支配権の関係はイーブン、随分強くなったものだわね」


「ふん、そのまま麗美に飲まれてしまえばいい」


「最近だと事情に詳しくなったのか、私に随分と歯向かうようになったね。でも彼女にはゲーム世界での罪の記憶はない。罪を忘れていい気になってるあの子を見ていると、壊したくなっちゃう」


「お前麗美に何かしたらまた、次は破壊スキルで存在事消し去るからな」


「ああ、怖いね。ちょっと調子に乗っちゃった。まあ、そんなことはしないから心配しなくていいよ」


「どうだかな」


「それに気づいてる? 着実に破滅の未来が近づいていることに」


「そんな兆候はないけど?」


「だって人になった神器が春樹君の前に現れたんでしょ? 彼女も破滅に繋がるピースとなる」


「何が言いたいんだ?」


「もうすぐ王子様と二人きりになれるってこと」


「黙れ」


「ウソウソ、私に由愛ちゃんのような予知能力はないよ。そんな本気にならないでよ」


「もういいよ俺の前から消えろ」


 俺はスキルで捕食者スキルの麗美の影を消し飛ばした。


「もう寝るか」







 翌日、俺は早速美織についての調査を開始した。


 開始早々アクションを起こしてきたのは、向こうからとなった。


「おはようございます春樹さん。となりの席になったものとして、色々助けていただきたいことがありますので、よろしくおねがいします」


「ああ、そうだね。隣の席だからいつでも力になれるよ」


「差し支えなければその、教科書を見せてもらえないでしょうか」


「いいよ別に」


「ありがとうございます。お恥ずかしながら忘れてしまったんです」


「しかしあれ? 美織さんって、どこに住んでるの」


「私は隣町に住んでいますよ。結構遠いので準備が大変でこのように忘れ物をしてしまうことがよくあるんです」


「まあ、通学が遠くなるのは仕方ないね」


 俺は昼休みに再び話しかけた。


「ところで、美織さんは、普段何してるの?」


「え? 私ですか。えーとその、普段はですね」


「あまり転校生を困らせないでくれないか?」


「あなたは神八聖!」


「美織さんは、この世界に順応したばかりなんだ。まだ人としての楽しみ方をよくわかってない」


「何を言っているんですか? というか美織さんはこの人の言ってること分かります?」


「神八聖先生ですよね。あの私が世界に順応したばかりっていうのはどういうこと何ですか?」


 田穂美織は神八聖のことを自分と同じタイミングで転校してきた先生という程度の認識しかしていない。しかし神八聖は田穂美織の正体を全て知っている。これはお互いの腹を探るいい状況かもしれない。


「君はまだ知らなくていい情報だよ。ただ来る時に美織さんの力が必要になるから」


「力ですか? 私にそんなものはありませんが」


「美織さんから神八聖さんのことを訪ねたんじゃないの?」


「はい、ふと目を覚ましたら足が勝手に動いたんです。そしたら神八聖さんの自宅に私はいました。そこからはあんまり記憶がありません」


「そういうことだ」


「なるほど」


 2人の背景が見えてきた。おそらく美織さんはβとして記憶がないのだろう。そして何らかの別人格を垣間見て神八聖が彼女のことをβと知ったのだろうか。とにかくこれは後に尋ねる必要がある。


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