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5/8

焼き芋

※官能的な表現があります(*´∀`)


なお、焼き芋です。


『いし やーきいもー』の声に、昼寝で微睡んでいた私はガバッと体を起こした。鞄をひっくり返して財布を見つけ出し、ポケットにねじ込む。玄関へと滑り込めば、旦那の大きな靴を足に引っ掛け、寒風の吹く外へ飛び出した。


紐のスニーカーなぞ悠長に履いてられない。急がなくては、意外と速度の乗っている焼き芋の屋台は居なくなってしまうのだ。


☆


胸に新聞紙に包まれた戦利品を抱えて、足取り軽く家路につく。隙間からは、『甘いぞ!』と暴力的なまでに主張する湯気が細く上がっていた。火傷しそうにアツアツなところもまた嬉しい。


きっちりと旦那の靴を元の場所に揃えて戻し、手洗い、うがいを済ませる。


さあ、準備は万端だ。


まずは、熱く湿り気を帯びた新聞紙を丁寧に広げる。中から出てきた濃紫のさつまいもは、所々を蜜で黒く濡らし、香ばしい皮目を晒していた。


魅惑的な香りに、喉が鳴る。


堪らず持ち上げれば、容赦のない熱量が指先を灼いた。熱さに身悶えしながらも、先端から壊れものを扱うように皮を剥く。


現れたのは、息を呑むほどに色鮮やかな、ねっとりと光る黄金色の果肉だった。我慢に耐えかねたのか、とろりと蜜を溢していた。


「ああ、素敵……」


胸が甘く痺れるような感覚に陥る。ほぅ、と吐息が漏れた。まだだ。今、欲望に負ければ私の口の中は熱さに蹂躙されてしまう。三日間後悔したことを思い出せ。


ようやく湯気が収まったことを確認し、万感の思いを込めて齧り付く。


口に含んだ瞬間、それは噛む間さえ与えず、熱い塊のまま舌の上でどろりと融解した。歯を包み込み、粘膜にねっとりと絡みつく甘み。


「んっ……。あはぁ……」


私はその濃厚な熱に溺れ、喉を焼かれながら、夢中になって嚥下を繰り返した。


☆


「はっ」


気づくと、三本買ってきていた焼き芋は跡形もなくなり、私の腹を温める懐炉となっていた。


やべぇ、夕飯入らないかも。


でも超満足。









【創作メモ】

本文執筆:作者

AI利用:情報収集・アイデア出しの補助

辞書利用:あり


今回の辞書ワードは「濃紫」の一つ。

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― 新着の感想 ―
私は焼き芋になりたい……←少し違う いやぁ、とても官能的でしたww寝起きのまだ眠気も醒めやらぬうちに読むとだいぶ刺激的でした♪ >三日間後悔した すんごい火傷したんですね(ToT) 子供もよく早…
 こちらでは焼き芋屋さん、屋台では見なくなりました(T_T)  去年はお店を構えている焼き芋屋さんに何回も行きしました(^○^)  ちなみに今の彼との初デートはその焼き芋屋さんでした(≧∇≦)  思い…
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