新生児
ドアが開いて、検査を終えた我が子が帰ってきた。今日は聴覚と血液検査だったらしい。結果は異常なし。小さな踵にペタリと絆創膏が貼ってあった。
瞳は閉じ、薄く胸が上下している。小さな鼻からはピスピスと小さな音が聞こえる。
頑張ったね、と薄紙のような頬をつついた。煩わしかったのか、万歳をしていた両手を使い、自分の頬を拳で叩くように掻いている。
その手を捕まえ、ぎゅむっと握りしめた手をゆっくりとこじ開ける。そして、私の人差し指を握らせた。うむ、これでよし。指の股には、白い胎脂がこびりついている。次の沐浴で落とさなきゃだな。
そこで赤ちゃんの瞼が震え、透き通った薄茶色の瞳が現れた。何にも染まらない無垢な眼差し。焦点は合わないけれど、泣かないからご機嫌だね。おはよう。一時間ぶりのママだね。
柔らかな毛で覆われた頭部を、そっと包み込むように撫ぜる。大人の手のひらにすっぽりと収まるほどの小ささ。大泉門がペコペコと動いている。
赤ちゃんも気持ちいいのか、目を細め、口をとがらせていた。口も指先でつついてみると、吸いつくような動きをした。ああ、おっぱいか。
右手で首を支え、左手でお尻を包んで持ち上げ、赤ちゃんの首すじに私の鼻を押しつける。干したての布団と、はちみつを入れたホットミルクの匂いを胸いっぱいに吸う。
「ふえええ」
「あ、ごめんね。おっぱい飲もうね」
授乳クッションをお腹にセットし、口をパクパクさせて催促する赤ちゃんの高さ調整をしてから口を近づける。
「って痛っ!浅吸い!飲むの下手くそすぎる!これだから新生児は!」
口におっぱいをねじ込み、事なきを得た。ふう、これで裂けずにすんだな。
これから二十四時間体制でお世話が始まって大変だろうけど、まあ、二人目だから経験値ある分楽にいくだろ。
結構しんどいけど……。
うん、いや、大丈夫……。
今は可愛さを堪能しよう。そうしよう。
【創作メモ】
本文執筆:作者
AI利用:情報収集・アイデア出しの補助
辞書利用:なし




