第13夜
㉙最後の笑い声
ある番組で映された海外の事件。
防犯カメラに映るのは体の不自由な男が数人に引き倒され、暴行を受けるシーンであった。
自分は体が弱いからもうやめてくれと泣き叫ぶが行為はエスカレートとする。
また助けに現れる者はなく。助けに現れる物も尺も者も斎もない。
暴行を受ける男は最後笑いだす。
狂った笑いではけしてない。
悲痛な笑い。
彼はこの世界には自分を含め頼れるものは何もない。
それを悟ったのだ。
私はそれが怖かった。
㉚消えたテレビ
完全に消したテレビ画面とビデオを映していない状態のビデオ画面のように映っていないだけのテレビ画面。
何となくどちらかわかるだろう。
小さな音が聞こえている。
ものぐさだった私は、DVDを観た後、画面が暗いからとテレビを消さなかった。
DVDはどうせすぐ次のものを観るのだ。
けれどなぜかパタリとDVDを観なくなる。
画面が映っていないだけのテレビの音は常に聞こえているが気になるほどではない。
私は散らかった部屋でリモコンを無くし、更にテレビを消すのが億劫になる。
異常と思われるかも知れないが私のテレビは3ヶ月以上も暗い画面のままつけられていた。
画面が映っていないだけのテレビの音なくなっていた。
音はテレビからではなく部屋からしている。
元から何となく感じるだけのもの。
霊に似ている。
音から何かが生み出された。
私は急ぎテレビを消したが歩き回るものは消えなかった。
そういえば私は、テレビを消さなかった日までは几帳面だったはずだ。
もう遅かったのだろう。




