第四話 接触
この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称・事件等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
錆びついた鉄骨がジャングルジムのように組み合わさる上層セクター。
そこは、九天楼の「ネオンの光」が最も眩しく、同時に最も深い「影」を落とす場所
カイトがエイジロウの案内で鉄骨を駆け上がると、すでにそこは「音と光の戦場」と化していた。
キィィィィィン……ッ!
空気を引き裂くような高周波の駆動音が響き、純白の義体に身を包んだ『白の信徒』の尖兵たちが、恐るべき速度で鉄骨を跳んでいきます。その動きには一切の無駄がなく、まるで一つの意志で動く魚の群れのようだった。
「……五月蝿えなぁ、お前たちは」
鉄骨の最上段、遮光ゴーグルをかけた男が、不敵に笑いながら指をパチンと弾く。
指先から、不可視の音響衝撃波が、大気を激しく震わせ、迫り来る白の義体の一体を直撃する。
超高硬度のセラミック装甲に亀裂が走り、その巨体がバランスを崩して遥か下へと落下していった。
しかし、敵の数は数十、数百、さらに後方からも駆動音が響いていた。
「チッ、数が多すぎるか……!」
「カズキ! 露払いは任せろ!」
激しい金属音と共に、カイトがカーボン杖を突き立てて鉄骨の頭上に躍り出た。
その膝は歩くたびに悲鳴を上げていたが、カイトの瞳には一切の迷いはなかった。
「カイトか! 遅いんだよ、くそ兄貴!」
カズキはゴーグルの奥の目を細め、カイトの合流を歓迎するように叫びます。
「お前たちの狙いは分かってる!この街全部、消すつもりだろう!」
白の信徒の一体が、感情のない合成音声で応じた。
『不純物の排除は、世界の最適化。ネットワークの鍵を回収し、現実のバグを修正します』
「バグだと?」
カイトが両腕を広げ、鉄骨の上で深く腰を落とします。
その瞬間、高架下の空間全体に、ズシンと重い圧力がかかりました。
動かない関節の代わりに、カイトの放つ磁場が鉄骨の「隙間」を強引に結びつけ、
足場を空間に作り出した。
「カズキ! 奴らが来る場所を教えろ! 俺がそこを潰す!」
「言われなくても……やってるぜ!」




