第十二話 覚悟
この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称・事件等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
空からは降り注ぐ「光」は降りてこないが、地上では「白い波」が湧き上がろうとしていた。
「光はなさそうだな、白の信徒は準備中ってところか、」
「まぁ今のうちに休んどきな、すぐには来ないだろうさ、こっちを先に片付けるよ。」
トメさんは神社の弾けた賽の修理に戻った。
しばらくすると神社の中から黒い墨のようなエネルギーの大波が溢れ出した。
神社を中心に、街全体へ波が爆発的に広がるようだった。
「やれやれ、終わったわぃ」
キセルに火をつける。
「トメさんお疲れさん、」
「まぁ本番はこれからさ、神社の力でしばらくは持ちこたえるだろうが、数が多すぎるとねぇ」
「それは俺がなんとかするさ、」
「なんとかって、その体でかい、またむちゃを言いいおるわぃ」
煙を吐きながら少し間を置いた。
「あんた人を捨てる覚悟はあるかい?」
「何だそりゃ、もう半分捨ててるよ」
キセルの灰を捨て、真剣な顔で覗き込んでくる。
「冗談じゃなく、本当さ、」
その顔には迫力があった。カイトも真剣な顔になる。
「腕と足を失ったとき考え続けたよ。今がその時か?」
「そうでもしないと無理かもねぇ、覚悟が出来たら神社の中に来な、、」
トメさんは神社の中に入っていった。
「やれやれ、どうしようかねぇ、、、」
カイトは動かなくなった義足を眺めながらつぶやいた。




