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回復魔法だと思ったら即死魔法でした ~最弱回復魔法師の力を受け継いだ俺、気づいたらダンジョン魔王に~  作者: マリアンナイト


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50話 慢心する者たち

 ダイヤたちが引き返した後。


 続いて現れたのはB級冒険者アパタイトのパーティーだった。


 カブトのボス部屋へと入っていく。


「何だこの繭は?

 一階層がスライムから芋虫に変わったと思ったら……

 今度は繭かよ」


 仲間が、アパタイトのとぼけた声に笑った。


「また楽勝ですね。

 あの赤いスライムは、どうしたんでしょうね?」


 アパタイトの仲間が、穴の開いた体をさすりながら話していた。


 何を思ったのか、


 アパタイトが、繭に剣を突き刺した。


「よっ。

 D級パーティーにすぐにやられるから、

 赤いスライムには、出くわすこともなくなったしな」


 アパタイトが剣を抜くと、繭から血が流れ出た。


「……なんだこれ?

 ボーナスステージか?」


 仲間たちも、面白半分で繭を四方から剣で刺して笑う。


「攻撃もされないから、繭なら楽勝だ」


 だが繭の中では、もぞもぞと何かが動いていた。


「結構しぶといな。

 なかなか死なないぞ」


 仲間たちが繭に興味をなくし始めた。


「どうする?

 階段はもう開いてるぜ」


「そうだな。

 時間の無駄だな。

 先を急ごう」


 彼らも、その場を去った。


 ***


 そして、その次にカブトのボス部屋に入ってきたのは、

 A級冒険者パーティー。


 トパーズ。

 クオーツ。

 フェルス。


 三人組のパーティーだった。


 白い繭は、アパタイトたちに攻撃された。


 そして、血でじわじわと赤く染まっていた。


 繭が真っ赤に染まりきったとき――


 繭が割れた。


 ちょうどその時に、


 A級パーティーの三人が入ってきたのだった。


「なんだここは、芋虫のダンジョンなのか?

 スライムとゾンビのダンジョンと聞いていたが……

 こいつが二刀流の剣士なのか?」


 割れた繭の血だまりから、

 真っ赤に染まった魔物が姿を現す。


 ゆらゆらと体を揺らし近づいて来た。


 羽は血に貼りつき、

 広がらないまま血が滴り落ちている。


「……なんだこいつは。

 気持ち悪い」


 フェルスが魔法で作った氷の矢を放つ。


「こいつがギルドで噂されていたゾンビか?」


 血みどろでゾンビのようにも見える。


「シャアアアア!!!」


 カブトの威嚇で、クオーツが魔法の盾を三人の前に出現させた。


 三人は散り、三方向から連携攻撃を仕掛ける。


 クオーツが目の前の魔法の盾を横に変化させ、

 カブトへ突き刺すように放った。


 しかし腕に盾が刺さったまま、

 カブトが腕で受け止める。


 同時にフェルスの氷の刃が、カブトの腹部に突き刺さる。


 膝をつくカブト。


 そして――


 トパーズの剣が、腕ごと首を断ち切った。


 カブトは地面へと崩れ落ちた。


「今の魔物……。

 異様だったな。

 これが最初のボスでいいのか?」


 フェルスが汗を拭う。


「これがギルドの噂のゾンビか?

 妙じゃないか?」


 クオーツは緊張をほどき、苦笑いする。


「呆気なかったな。

 不自然だろ?

 強そうな雰囲気を出しやがって……」


 トパーズだけが表情を曇らせていた。


 まるで何かを見落としているかのように……。


 ***


「カブト……!」


 俺は思わず声を上げた。

 

「なんてむごいことをするんだ。

 俺がカブトをボス部屋に配置したばかりに……」


「あんなデカい繭、どこに置くんですか。

 通路の蓋にでもしますか?」


「えぇ……カブトってそんな扱いなの?」


「違います」


 コノハが諭すように言った。


「あれでいいんです」


「あれでいい?」


<奴は最強の我の右腕だぞ>


 カンカイが笑う。


「死んじゃったけど……」


<これからが見ものだな>


「何で期待しちゃってるの?」


 本当に、この人は分からないなあ。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


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