47話 楽しくダンジョン経営
その夜――
俺は夢を見た。
赤い霧がダンジョンから漏れ出した。
その霧が街を覆いつくし、城に迫る。
カンカイが恨んでいた冒険者がもだえ苦しんで死んだ。
ダンジョンの奥で、カンカイは至福の笑みを浮かべていた。
ただ、一人寂しく……。
街の人間も倒れ、
叫び声が消える。
やがて国は、木の根に覆われて静寂が包んだ。
これは俺の知らない記憶。
その中に、おぼろげに思い出された姿があった。
どこかで見たことがある気がする。
それが……
セイジョウ王国の王の肖像画に似ていた気がした。
しかし、これは450年前も前の話。
知っているはずがない。
それでも、懐かしさから涙があふれ出していた。
***
「はっ!」
ここは俺の寝室。
また夢を見たのか……。
何の夢を見たのか覚えていない。
でも、胸が痛んだ……。
ふと、目の前の視線に影が映った。
おしとやかな女の子が立っている。
「おはようございます。
魔王様」
「え!?
コノハ!?」
進化して、見違えるほど姿が変わっていた。
背が伸びて、念願のドライアド……
にはなっている。
でも、三枚の葉っぱをカチューシャにして、
幼いドライアドへと進化していた。
「魔王様。
何をぼーっとしているですか。
仕事です!」
言葉使いも変わってしまった。
でも、これも良い進化だと思う。
***
ダンジョンは十階層になっていた。
だが、喜び半分悩み半分。
どう配置すればいいのか悩んでいた。
今まで通りに配置すると、
半分の階層がボスの空白になってしまう。
それを俺だけで補えと、コノハなら言いかねない。
そうだ、二階層をボスに任せたらいい。
でも、身動きの取れない繭の中にいるカブト。
奴をどうすればいいんだ~!
そして俺は夜を徹して考えに考え抜いた。
ボス部屋の配置をどうするか……。
そして、こうすることに決めた。
一階層ボス、カブトの眷属。
二階層ボス、サナギのカブト。
三階層ボス、レッドの眷属。
四階層ボス、スライムのレッド。
五階層ボス、アリの眷属。
六階層ボス、アリの女王 ムマ。
七階層ボス、カマキリの眷属。
八階層ボス、カマキリのシンエイ。
九階層ボス、不在。
十階層ボス、魔王サンク。
「カブト。
早く目を覚ましてくれよ」
自分で書いた表を眺める。
これなら……なんとかなるだろう。
「ふう……疲れた」
ダンジョン経営も楽じゃない。
でも……
楽しい。
カブトのでっかい繭を見て、
冒険者たちは素通りするのだろうか?
それとも攻撃するのか。
攻撃されたら、カブトはどう反応するのだろう。
それが気になった。
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