表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
回復魔法だと思ったら即死魔法でした ~最弱回復魔法師の力を受け継いだ俺、気づいたらダンジョン魔王に~  作者: マリアンナイト


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/88

41話 疫病の魔王


 アリの侵攻がサンクのダンジョンを襲う。


 その450年前――


 カンカイはミノタウロスを倒し、


 新たなダンジョンの魔王として君臨していた。


 ***


「ドライアド」


「はい」


「ダンジョンの様子はどうなっている?」


「また人間どもが凝りもせず侵入してきております」


「我を置き去りにした冒険者は、まだ現れぬのか?」


「大方の冒険者は討伐しましたが……

 魔王様を置き去りにした、あの冒険者は……。

 すでに引退しております」


「引退しただと!?」


「家族を持ち、子供を育て……

 英雄として称えられております」


「なぜ奴らが英雄だ」


「それは……

 魔王様が倒した功績が、奴らのものとなっております。

 ミノタウロスを滅ぼした英雄として……」


 カンカイの拳が強く握られ、玉座のひじ掛けが砕け散った。


「……奴らをダンジョンに引き込めぬのか」


「難しいかと……」


「我の命が聞けぬというのか」


「申し訳ございません。

 彼等は国に守られております。

 国との戦争を覚悟しなければなりません」


 カンカイが肩肘をついて沈黙した。


「ならば、我が出むこう」


「それはなりません。

 王に何かあったら……」


「我に何かあると申すか?」


「いえ、そのようなことは……

 ただ、魔王様はダンジョンと繋がってますので、

 どのようなことが起こるのか分かりません」


 玉座に座るカンカイの元には、

 配下が頭を垂れて整列している。


「モグラ」


「へい!」


「王国まで穴を繋げよ」


「それは……何年かかるか分かりやせん。

 それにダンジョンの管理が手薄になりやす」


「蛾」


「はっ」


「お前の意見は」


「私めに命令して頂ければ、

 この鱗粉で王国を滅ぼしてみせましょう」


「それでは復讐にならぬ。

 我の復讐であるぞ」


 だが、カンカイは笑った。

 

「……しかし悪くない」


「ありがたき幸せ」


「我はダンジョンから出られぬ。

 だが復讐できると分かった。

 ここからでもできる」


 カンカイが立ち上がる。


 両腕を上げ歓喜の笑いがこだまする。


「ガハハハハ!

 これならできる。

 これならできるぞ」


 振り上げた両腕の拳を握る。


「奴らにも味わわせてやろう。

 我が味わった苦痛を

 後悔に沈み、苦痛にもがけ」


 少し笑みを浮かべながら話を続ける。


「我は毒の魔王。

 自ら毒を喰らい、ミノタウロスからの苦痛に耐え、

 あの日より我は毒と共に生きてきた」


 カンカイが腕を振り上げた。


「その毒を、この地に捧げてやろう。


 さすれば我の名が絶望とともに刻まれる」


 カンカイがマントをたくし上げ、指示を出す。


「ドライアド。

 結界を張る準備だ。

 ダンジョンの配下をそこへ隔離せよ」


「はっ」


 ドライアドとモグラが地中へと消えた。


「私は魔王様と共におります」


 蛾がカンカイの傍に伏す。


「お前ならば耐えるやもしれぬ。

 だが今回は皆の元で静かにしておれ」


「はっ。

 魔王様の仰せのままに」


 そう言って飛び去った。


 恍惚の表情を浮かべ……


 カンカイが天を見上げた。


 まるで祝福を受けるかのように腕を広げ、


 静かに回った。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


少しでも面白い思っていただけましたら、

ブックマークや↓の『☆☆☆☆☆』で応援いただけると、とても励みになります。


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ