39話 王の威厳
夜が明け、レッドとカブトが復活した。
しかしカブトは、なぜかサナギになってしまった。
それでもレッドは、アリたちを瞬時に倒していく。
シンエイがボス部屋で侵攻を食い止めていた。
――魔王とサンク――
「さあ、これで俺の出番だな」
<言うようになったな>
王として格好だけはつけないとな。
<うむ。良い兆しだ>
「コノハ。
俺を一階層へ連れて行ってくれ」
「はいでちゅ! おうちゃま」
「これまで、よく俺の代わりを務めてくれた。
今度は俺が何とかしてみせよう」
ぽっ……
<どうするつもりだ?>
「ダンジョンを守りたいって思えばいいんだろ?」
<ほう。我の言うことをやっと聞き入れ始めたか>
「お前の言うことは聞かないが、ダンジョンは守りたい。
そのためには何でもするよ」
<そうか。
ではアリに、王の前での不敬な振る舞いを正してやれ>
「はあ?
振る舞いを正す?
どうやって?」
<王らしく、何か言ってみよ。
王の威厳を示せ>
王の威厳ねえ……。
俺は一階層の隠し通路から出てみた。
崖下では、アリの大群が黒い波となってうごめいている。
「ひえ~!
この階層は広すぎるよね?
数万はいるんじゃない?」
<怖気ずくでない。
何でもするのだろう?>
俺のいる位置からは、遠くまで見渡せた。
「くっ……。
ええい! どうにでもなれ!」
俺は崖の上からアリを見下ろし、
腕を斜め前に突き出した。
「我が前で不敬であるぞ。
ひれ伏せ」
ダンジョンに俺の声が響き渡った。
その響きとともに、
アリたちの動きが止まる。
そして、
何万ものアリが一斉に地面へと伏した。
「すごい光景だな」
<壮観であろう?>
「でもさあ……
まだダンジョンの入り口から次々に入ってきてるよ」
<ではどうする?
ダンジョンを守りたいのだろう?>
「不敬だと言ったはずだ
去れ」
突き出した腕を横へ払う。
すると……
何万ものアリが壁へと激突し、
押し寄せる黒い波が岩肌に打ち付けるように弾けた。
わずかに生き残ったアリたちも、
足がおぼつかず、気力なく彷徨っている。
それでも侵攻は止まらなかった。
さらに、
鎧のアリが壁をよじ登り、迫ってくる。
「ひえ~!
来るな!」
手を振り回し、慌てふためく。
恐怖のあまり、いつの間にか拳を握り締めていた。
だが――
鎧のアリも左右に弾き飛ばされ、
壁へ叩きつけられる。
岩肌に叩きつけられた鎧のアリは、
そのまま動かなくなった。
さらに、
内側に吸い込まれるようにして潰れた。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
少しでも面白い思っていただけましたら、
ブックマークや↓の『☆☆☆☆☆』で応援いただけると、とても励みになります。
よろしくお願いします!




