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回復魔法だと思ったら即死魔法でした ~最弱回復魔法師の力を受け継いだ俺、気づいたらダンジョン魔王に~  作者: マリアンナイト


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36話 外側の攻防戦

 一方、ダンジョンの外では――


 D級パーティー「スファレライトの輝き」が


 アリの群れに囲まれていた。


 しんがりを務めるジプサムが盾を構え、防御を続ける。


 カルサイトの支援魔法がその体を強化する。


 タルクはジプサムが攻撃を受けるとすぐさま回復をかけた。


 フローラの魔法攻撃で、アリの群れを退ける。


 四人の連携は、かろうじて均衡を保っている状態だった。


 そして、


 先頭にはダイヤがいた。


 逃げ道を切り開くように、アリの群れをまとめてなぎ払っていく。


「ダイヤ、大丈夫か?」


 タルクが声をかけた。


 そのままダイヤの方へ振り向いた瞬間。


「えええ!?」


 ダイヤにアリたちが噛み付いていた。


 ダイヤはそんなアリを気にするそぶりもなく、


 噛み付かれたアリごとなぎ払っていた。


「俺は大丈夫だから、皆は後方を頼んだぞ」


 タルクは、

 回復魔法をダイヤにかける素振りさえ出来ずに固まっていた。

 

「ダイヤって……

 D級だよね」


「ははははは。

 気にしないでくれ。

 それより今は、後方に集中してくれよ」


 ダイヤの落ち着いた言動が、仲間たちの恐怖さえ振り払っていた。


 しかし、


 青みがかった黒い殻がきらりと光った。


 鎧をまとったようなアリが、気づけば近くまで迫っていた。



「んんん……」


 ダイヤが息を止める。


「おりゃーーー!!!」


 そう言った瞬間――


 前方のアリが……


 一匹もいなくなっていた。


「今度は俺がしんがりをやろう。

 前後の守備を交代だ」


 ジプサムが前へ出る。


 そこにはすでに逃げ道ができていた。


「本当に、何もんなんだよ。

 ダイヤって……」


 そのダイヤへ、鎧のアリが襲いかかる。


 カルサイトが支援魔法をかけようと杖を構えた。


「俺のことはいい。

 前方に集中してくれ」


「遠距離攻撃なら支援できるわ!」


 フローラの火炎が放たれる。


「ありがとう。

 でも……鎧のアリは俺がやる。

 襲ってくる敵を、火炎で近づけないでくれ」


「分かった」


 そう言った矢先――


 ダイヤの剣が、鎧のアリに弾き返され折れてしまった。


 剣を失ったダイヤに、


 鎧のアリが襲い掛かる。


「ダメッ!!! 危ない!!」


 フローラが咄嗟に魔法を放つ。


 しかし、


 それはダイヤを巻き込んで爆発する。


「ごめん……」


「だいじょぶ、だいじょぶ」


 笑いながら……


 折れた剣を放り投げ、


 ダイヤは拳で、鎧のアリを叩き潰していた。

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