33話 侵攻
レッドとカブトを復活させようとした最中――
「まおうちゃま!
また侵入者の魔物が現れまちた!」
ダンジョンの状況を確認してみる。
今回侵入してきたのは、人間ほどの大きさのアリだった。
ただ問題なのは、
かなりの大軍勢らしい。
「やばいですぜ!
外が荒れて、緊急事態発生です」
冒険者たちの会話が聞こえてくる。
「ダンジョンの外はアリだらけだ。
今のうちに逃げないと街に帰れねえぞ」
スライムの眷属はダンジョンを抜け出しているものもいる。
それはダンジョンの外の情報を仕入れるためだった。
しかし、今はまだレッドが復活してない。
もうすぐ夜明け、レッドもカブトもそれまで復活できない。
外の状況が気になった。
今のところ、一階層に斥候らしきアリが侵入しただけだ。
早くこちらも守備を整えないと……
「今回のはヤバそうですぜ。
オラは戦闘向きじゃないので、
ダンジョンを迷宮化して侵入を分散させやす」
ドリュウは建設大臣としての務めを果たそうとしている。
俺も頑張らないと……。
「シンエイは、レッドが復活するまで二階層のボスを命じる」
「レッドとカブトが復活するまで、
コノハが指揮を執ってくれ」
「はいでちゅ!」
「そうなると、王を守るものが……」
シンエイが、心配そうにこちらを見ていた。
「俺に任せよ!」
本当は、自信なんてなかった。
でも、俺は見栄を張って王を演じた。
王としての務めを果たそう。
「そうでございました。
王を信用いたします」
深々と頭を下げ、シンエイは持ち場へと向かった。
「ギルドから緊急招集がかかった。
アリの軍勢が、黒い波のように迫ってきているらしい。
もし誰かに出会ったら、そう伝えてくれ」
「わかった。
なんかやばそうだな」
人伝に冒険者たちの間に連絡が広まっていく。
多くの冒険者たちは、ダンジョンから去っていった。
深夜ということもあり、冒険者の姿は元々少ない。
取り残されている冒険者は、僅かだった。
<厄介だな。
あのアリ、情報収集しておる。
ここの場所がバレたぞ>
お前は知っているのか?
<開拓のダンジョンと呼ばれる隣のダンジョンの魔物だ。
新たな女王が生まれるたび襲ってくる、大迷惑な奴らだ。
ちょくちょく我のダンジョンへ来ることもあったかのう>
どのくらいの数が襲ってくるんだ?
<数十万ってところかの?
だが、我の敵ではない。
遊んでやればよい>
「数十万って戦争じゃないか!」
斥候のアリを殺すたび、ダンジョンに現れるアリが増えてくる。
レッドと同じく、アリの眷属の魔力は親の元に帰る。
情報を仕入れているようだった。
「ドリュウ!
迷宮化ではなく、侵入自体を防げ!」
「もう無理でさあ。
アリが溢れてやす。
今、シンエイの旦那が侵入を防いでやすが、時間の問題でっせ」
そのとき――
地面が揺れた。
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