21話 不思議な冒険者
赤いスライム、レッドが冒険者にやられた。
赤い霧となり、消滅してしまったのだ。
しかし、彼は魔王の配下だ。
復活できる仕組みになっていたのだ。
レッドを倒した強敵、冒険者ダイヤ。
彼らは一階層のボス部屋から二階層へと降りてきていた。
***
「この階層は、芋虫の魔物が多いみたいだな」
迷路のような通路を、冒険者たちが警戒しながら進む。
しかし、
ダイヤだけは迷いがない。
「ドドドドド……ガガガガガ」
ダンジョンに奇妙な音が響く。
「ゴゴゴゴゴゴゴ……」
地響きで、冒険者たちもたじろぐ。
壁の中を、何かが這っている。
「警戒を強めろ。
異変を感じたら、すぐ報告だ」
ダイヤの指示が飛んだ。
「シャーーーッ!!」
現れたのは、芋虫カブトの眷属。
吐き出された糸が、冒険者たちに絡みつく。
「きゃあああ!?
なにこれ!」
ベタベタとくっつくような糸を吐いていた。
魔法使いの女が、床に貼り付けられた。
だが――
ダイヤは冷静だった。
糸を一瞬で切り裂き、仲間を救う。
***
「あの糸、俺に巻いていた包帯みたいなやつとは違うのか?」
俺の問いに、コノハが答える。
「はい、そうでちゅ。
カブトはいろいろな種類の糸を吐けまちゅ」
「いろいろ!?」
「はい。
カンカイさまのときは、毒の糸を使ってまちた」
<うむ。
我の体内には、毒キノコの……>
「なあコノハ。
俺の配下でも、その能力は使えるのか?」
「さあ? 分からないでちゅ。
これから見ものでちゅね」
<あの芋虫は、お前の正式な配下ではないがな>
「はあ?」
<我が甦らせた魔物だ。
お前の魔力を与えてない者は、配下ではない>
「……ってことは、
もし、死んだら?」
<消えるな>
「軽っ!!」
そんなに簡単に言うなよ。
冷たい奴だな。
俺の可愛い部下だぞ。
「カブト。
お前はもういい。
帰ってこい!」
だが、その時には……。
***
ダイヤのパーティーとカブトは、すでに対峙していた。
「シャーーーッ!」
糸が放たれる。
しかし、魔術師の火が、それを焼き払う。
追い詰められるカブト。
冒険者ダイヤが剣を振りかざす。
その刃が、カブトの目の前に迫る。
その瞬間。
「ぽちっ」
ボタンを踏んだような、小さな音がした。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
少しでも面白い、続きが気になると思っていただけましたら、
ブックマークや↓の『☆☆☆☆☆』で応援いただけると、とても励みになります。
よろしくお願いします!




