表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
回復魔法だと思ったら即死魔法でした ~最弱回復魔法師の力を受け継いだ俺、気づいたらダンジョン魔王に~  作者: マリアンナイト


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/88

19話 罠

「なんてことしてくれたんだよ!」


 頭を抱える俺の前で、コノハが胸を張っている。


 モグラのドリュウは優秀だった。

 階層をまたぐ通路を作ってくれたのだ。


 ――というのに。


 その通路を、コノハが木の根で塞いでしまった。


 切っても切っても、次々と生えてくる。

 このままでは、ボス部屋の階段からしか移動できない。


「一階層のボス部屋の階段まで、結構遠いんだよな……」


 ため息をつく俺を見て、コノハが胸を張った。


「大丈夫でちゅ!」


「何が大丈夫なんだ?」


 すると――


 通路を塞いでいた木の根が、

 するすると地面の中へ引っ込んだ。


「え?」


「魔王ちゃまが通るときは、

 ちゃんと開くようにしてありまちゅ」


「……」


「これで、冒険者はここから通れまちぇん!」


 ドリュウが感心したように頷いた。



「ボス部屋はこれからどんどん増えまちゅ。

 階層が増えるたびに、

 どこがボス部屋になるかわかりまちぇん」


 そこまで考えていたのか。


「玉座から各階層に直接移動できる……

 そういう仕組みか」


「はいでちゅ!」


「やるな、コノハ」


 コノハはもじもじと、嬉しそうに身をよじった。


「やるっすね」


 ドリュウが親指を立てている。


 ……俺より、よっぽど有能じゃないか。


 そんなことを思って、俺は少しだけ恥ずかしくなった。


 こんな俺が魔王だなんて。


 大した能力もないくせに、

 回復魔法を手に入れただけで浮かれていた。


 王なんて、俺にはふさわしくない。


 でも……


 楽しい。


 こんな頼もしい仲間がいるんだ。

 

 だったら、せめて。


 みんなが楽しめるダンジョンを作ろう。


 俺は、王なんだから。


<ほう。ようやく王としての自覚が芽生えたか。

 ならば、人間を狩る罠などを作るとよいかもしれんな>


「罠か!? うーん……」


 考え込んだ俺に、ドリュウが鋭い視線を向けた。


「王様。

 オラに任せてくんねえか?

 その罠ってやつを」


 そういえば、

 こいつは先代魔王にも仕えていた魔物だったな。


 ドリュウが、悪そうにニヤリと笑う。


「落とし穴を作って、串刺しにしてやりましょう」


<さすが、建築大臣のモグラじゃ。

 よく分かっておる!>


 なるほど。

 

 ……ちょっと工夫すれば、お宝が手に入るんじゃないか?


「そうだ!

 罠で驚かせて、武器や防具を置いていってもらおう。

 そういうのはできないか?」


「え!?

 びっくりさせるだけ?」


 ドリュウが目を丸くしている。


「だから、落とし穴で人間をぶっ殺せば、

 武器や防具は手に入りやすぜ」


 俺は、真剣なまなざしで答えた。


 みんなに分かって貰うには、はっきりと言った方が良い。


 そう思った。


「人間は殺さない」


 その場の空気が、ぴたりと止まった。


 ドリュウが、不思議そうにこちらを見てくる。


「ドリュウには話してなかったか。

 冒険者にも楽しんでもらう。

 何度も来てくれるような……。


 そんなダンジョンにするんだ」


 沈黙が続く。


 ……違う。


 俺は、何が言いたいんだ?


 本心を、言わないと……。


「俺はダンジョンに行きたくても行けなかったんだ!

 ダンジョンはロマン!

 楽しいものだろ!」


 その言葉で、空気が変わった。


 ドリュウが、ぽんと手を叩く。


「……なるほど」


 そしてニヤリと笑う。


「今度の王様は、

 面白いことを考えていやすね。


 わかりやした。

 任せてくだせえ。

 最高に面白い罠を、作ってやりますよ」

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


少しでも面白い、続きが気になると思っていただけましたら、

ブックマークや↓の『☆☆☆☆☆』で応援いただけると、とても励みになります。


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ