18話 優秀すぎる臣下
次の日の朝。
「ドドドドドド……!!!」
ダンジョンが揺れる。
騒音は、他の音が聞き取れないほどの轟音だった。
「何事だ!?」
「モグラの解体工事中でちゅ」
「ん?
普通に会話できるな……」
「はいでちゅ。
念話でちゅからね」
<お前は口がきけないことに気づいておらんのか!?>
へえ~。
便利だな。
俺が部屋から外に出ると、迷路のような通路の他に、
部屋のような空間ができていた。
しかも、俺の部屋の横に――
一階層に上がる階段まで作られていた。
「本当に優秀だな!
これで、階層の行き来も簡単じゃないか!」
土竜は得意そうに鼻をこすっていた。
「これでも、まだ本気じゃないっす。
オラの本気が見たければ、
魔力をもうちょっと分けてほしいっす」
コノハが、遮るように話す。
「今度は、あたちの番でちゅ!」
「そうだな。
でも、その前に、土竜に名前を付けてやろう」
「かっこいいのをお願いしやす」
「かっこいいのか……
ドリュウにしよう。
土の竜みたいでかっこいいだろ?」
モグラのドリュウが誕生した。
ふんっ! ふんっ! ふんっ!
両手を振り、コノハが我慢できずにおねだりしている。
「まだ魔力に余裕があるでちゅ!」
「コノハは、そのままの姿でいてほしいな」
「お望みなら、マスコットとして分身体を作りまちゅから!
まおうちゃま~」
「仕方ないなぁ~」
俺は指先を切り、コノハに吸わせた。
ちゅうちゅうと吸うその姿に、至福の幸せを感じる。
コノハが光り輝く。
そして、スラリとした大人の女性……
ではなく、
木人から、ちっちゃな妖精へと姿が変わっていた。
葉っぱが二枚重なっていて、リボンのようになっている。
人間の姿の、ちっちゃな妖精へと進化したのだった。
「あたちの能力を見ててくだちゃいね!」
コノハの力で、
モグラのドリュウが作り上げた階層を行き来する通路が、
木の根に覆いつくされ、塞がれてしまった。
「えっへん!」
得意顔のコノハだが、
俺は――
「なんてことをしてくれたんだよ!」
と頭を抱えていた。
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