17話 建築担当土竜
廃墟のダンジョンを訪れた冒険者たちは、
体中を穴だらけにして、街へと戻って来ていた。
冒険者ギルドでは……
「アパタイトさん、
どうされました?」
B級冒険者の剣士、
アパタイトが急いで受付に詰め寄った。
「この体を見てくれ!
廃墟のダンジョンで、やられたものだ。
赤いスライムにな……」
受付嬢が目を見開いて口に手を当てる。
「赤いスライムですか?
新種が誕生したんですね」
「それだけじゃない。
スライムなのに、驚くほど強い。
形を変え、棘のように針を突き刺してきた」
報告しているアパタイトの声が震えている。
「これを見てくれ。
俺たちの体に穴を開けておいて……
血が一滴も流れていない」
アパタイトの手や足は震え、
顔は恐怖に満ちている。
「あのダンジョンの噂を聞いた。
俺たちは、疫病にでも侵されたのか?」
ギルドの空気が凍りついた。
「……そんな魔物は聞いたことがないぞ!」
そう言って、ギルド長が現れた。
「まさか、あの廃墟のダンジョンが……
疫病のダンジョンが復活したのか!?」
***
一方、サンクは悩んでいた。
ダンジョンが成長して、
家臣たちも進化したがっている。
魔力を与えれば、進化することを知った。
でも、魔力も有限だ。
誰に魔力を与えよう。
一階層で増え続けているスライムの管理は、
スライムであるレッドに任せよう。
だから、一階層のボスはレッドだな。
後は二階層をどうするか……。
迷路のような状態で、把握できていない。
どうすれば、
ダンジョンを冒険者たちに喜んでもらえるだろうか。
「悩むなぁ~」
「わかりまちた。
なら、モグラを復活させまちょう」
「もぐら?
また弱そうな魔物だな」
「以前のダンジョンで、初期メンバーの仲間でちゅ。
弱いかもしれまちぇんが、
土木要員とちては優秀でちゅ」
なるほど。
ダンジョン建築なら強い味方ということか。
「どうすれば、土竜は復活するんだ?」
<お前の魔力を、ダンジョンに与えたらよい。
土竜の復活をイメージしてな>
「ふ~ん。
……こうか?」
俺は人間の部分が残っている手を、
骨となった指で切り付けた。
「ああ……もったいないでちゅ」
血が地面に滴り落ち、土竜をイメージした。
地面が光り輝く。
そこへ、地面がモコモコと盛り上がり、
土竜が現れた。
「魔王様。
お呼びですか。
オラは、またお仕えできて嬉しく思うっすよ」
長く伸びた鋭い爪が、キラリと光った。
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