15話 進化 真価
赤いスライムのレッド。
彼の真の実力を目の当たりにした。
巨大な赤いウニのようなスライム。
その針が、冒険者たちを貫く。
冒険者たちは動けなかった。
全身に、赤い針が突き刺さっている。
だが――
誰一人、致命傷を負っていなかった。
「……生きている?」
針は冒険者の喉元で止まり、
眼前で今にも突き刺さりそうな位置に留まっていた。
心臓を避け、頭は傷つけられていない。
腕や足――
すべて急所を外して、針が突き刺さっていた。
針をそっと抜き、レッドが俺の元に戻ってきた。
「王様。
僕の実力はどうだった?」
「カッコ良かった!
スゲーなお前」
<こ奴やりおるな。
天敵だと思って毛嫌いしておったが、
仲間にして良かったな>
カンカイが認めるほどの実力だったんだ。
「王様、今だよ。
魔王としての威厳を見せつけ、
このダンジョンのヤバさを教えるチャンスだぜ」
得意げにレッドが話しているように見える。
顔はないけど……。
「そうだな。
ここは俺の止血魔法で、治療してやろう。
えいっ!」
<敵を治療してどうする?>
「また来てもらいたいだろ。
お客様は神様だ。
丁重にもてなさないと」
<また、アホなことを……>
コノハは目を潤ませていた。
「さすがでちゅ。
優しい、まおうちゃま」
<おだてるな。
こういう奴は、すぐに調子に乗るぞ>
俺は、やっと魔法使いになれた!
「やったぞ!
俺もこんな凄い能力を手に入れたんだ~!」
***
しかし――
冒険者たちは、体中に穴が開き、
そこから血も出ていない状況に恐怖した。
「何をされたんだ……俺たちは?」
そこに先程、サンクが喜んだ言葉が響き渡る。
「ぎゃぎゃぎょ!
ぎょげぎょぎょうぎょぐごげぎぎげぎゃんぎゃー!」
それは奇妙に笑う、
魔王の歓喜の叫びのように冒険者たちに見えていた。
「これはやばいダンジョンが復活してしまったぞ。
街に戻って、みんなに連絡しなくては……」
冒険者たちが恐怖におびえ、
たじろぎながら去っていった。
「確かこのダンジョンは……
昔、疫病のダンジョンと呼ばれていなかったか?」
それを聞いた他の冒険者のひとりが、
こう言った。
「爺さんが確か……
『このダンジョンによって、街が一度、死滅した』
そう言っていたような気がするな」
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