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私の帰る場所  作者: 常盤周
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アリーヌ様に前世の記憶がある事はオレール様しか知らなかったようでバジル様とユーグさんも驚いている。

まぁ前世の記憶があると言っても証明できないし夢物語を喋ってると思われて馬鹿にされそう。

まぁ難しいよね。

だけど…

私の異世界発言で考え込むような厳しい顔をしていたバジル様が、アリーヌ様にも前世の記憶があると知ってますます厳しい顔になった。

迷惑をかける事になるのだろうか…


「バジル様…私がいない方がいいなら森から出ません。

ユーグさんとの婚約もなかった事にして下さい。皆さんにご迷惑をかけたくないのではっきり言ってくれて構いません。」

「リリーッ⁈」

「待ちなさいリリー。落ち着いて。1人で結論を出してはいけないよ。アリーヌも落ち着いたかい?

確認しようか。リリーのいた異世界はアリーヌの前世の記憶と同じ世界かい?」

「同じ地球の日本という国ですね。住んでた場所とかはわからないし、アリーヌ様と同じ年代かどうかはわかりません。」

「そうか。アリーヌは前世の記憶で何か作れたりとかできるのかい?今日リリーがプリンを作ったように。」

「いいえ。私は13歳と数ヶ月の記憶しかありません。学生だったから勉強したり遊んだりしてただけです。料理なんて家庭科の調理実習くらいしかした事ないです。でもバレンタインの友チョコは何回か作ったけど覚えていても作れるかどうか…お仕事とかもしてないからわかりません。」

「学生…ではアリーヌは前世でも貴族だったんだね?」

「いいえ。貴族とかないです。皆一緒…ええっと平等?なんて言ったらいいの?」


私を見られても…


「私も上手く言えませんが人は皆平等と言う事で身分差はありません。国の象徴として天皇陛下はいましたが…私は大学…学校を卒業して就職…働き始めたばかりでした。」

「では2人とも町の人達と同じ平民という事かい?」


平民を馬鹿にしてるわけじゃないんだろうけどなんか…


「平民…確かにそうですね。私は町の人達のように働いて自分で生活してましたから。でもアリーヌ様は記憶があるだけでこちらの世界では貴族として育ち生活をしてますから…」

「それはわかっているつもりだよ。ただ君たちのいた世界の事を知らないといけない。もちろんリリーの事も。アリーヌは記憶があるだけで作ったりする事はできなさそうだ。だから前世の記憶があると、前世の生活の事を言わなければ別に大丈夫だろう。今まで口にしなかったからこれからもする事はないと思うが…問題はリリーだ。黒髪というだけでなく異なる世界の知識があり作る事ができる。今日は料理だったが

魔法も使えるし魔力量も多いんだ。君の知識で魔法を使うとこの世界を自分の物にできるんじゃないのかね?」

「そんな面倒くさい事しませんよ。それにできません。私は攻撃魔法は使えませんから。」

「本当に?」

「信じる信じないはお任せします。ネイトさんの料理美味しかった。でも調味料はあるのに工夫すればもっと美味しくなるのに…私は美味しい料理が食べたい。自分が作らずに食べれると嬉しい。それだけでネイトさんに教えました。それからはネイトさん達料理人が試行錯誤して色々な味を作ってもっと美味しい料理を食べさせてくれると思います。私もそんなにレシピ知らないので。」


………


ため息をつきたいのを押し殺して


「私もですが皆さんも疲れているでしょうし…今日はこれで解散にしませんか?長く時間をいただいてすみません。ありがとうございました。」

「そうだな。いや、すまなかった。また改めて話をしよう。皆ゆっくり休みなさい。」


そう言ってバジル様が出て行く。

オレール様も

アリーヌ様を連れて出て行った。

私は髪を結んでまたウィッグをつけていた。

ユーグさんが


「部屋まで送る。」


と言うので送ってもらう。

ずっと無言だったけど部屋の前までくると


「俺はリリーがこの世界の人間じゃなくても構わない。心配しなくていいからゆっくり休んでくれ。また話をしよう。

おやすみリリー。」

「ありがとう。おやすみなさい。」


部屋に入り1人きり。

疲れた。

ベッドに座り靴を脱ぐ。

信じて話すと決めてもネット通販できるとか森の加護とかは何も言ってない。利用されるのは嫌だしあてにされるのも困る。

ウィッグを外してそのまま倒れ込む。

前世の記憶を持ってる人がいるなんて思わなかったよ。

バジル様がどう判断するか…

森に引きこもっても森に来られたら…

家の場所は知られてないから最悪家からでなければいいけど…

他の町に行く。

ここからどっちにあるのかどのくらいのところにあるのか

わからない。

ここの町みたいならいいけど治安が悪いと絡まれたりしそうで嫌だなぁ。

やっぱり森に帰ろう…

考えていた筈がいつの間にか寝てしまっていた。



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