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ん…
あれ?
見慣れない天井に慌てて起き上がる。
周りを見ても知らない場所。
私…昨日…
思い出した!
ユーグさんのお父さんに回復魔法使ってそのまま意識なくした。
もしかしてもしかしなくてもユーグさんが運んでくれ…た…?
嘘っ!
どうしよう?
迷惑かけちゃった。
はぁ〜。
何時かわかんないけどとりあえず起きて着替えよう。
お腹もすいたなぁ。
クリーンをかけて着替える。
ユーグさんのお父さんの状態が気になるけど…
やっぱり挨拶して出て行こうかな。
薬草売って買い物して森に帰ろう。
ここ数ヶ月1人だったから人との関わり方がおかしくなってるんだ。
うん。
忘れ物なし!
カチャッ。
部屋から出てどっちに行けばいいのかな?
誰かいないかなぁ。右見て左見てって横断歩道渡るんじゃないんだから…
あっ!
メイドさんかな?誰か歩いて行った!
行ってみよう!
早歩きで移動したけどいない?姿が見えない。
でも階段があったから降りていく。
あっ!
エントランスに続く廊下だ!
よかったぁ。
歩いて玄関まできたけど誰もいないのね。
扉を開けて外に出る。
ん〜!
やっぱり森の方が好きだなぁ。
あっ!誰かいる。あの人に言って出て行こう。
「おはようございます。お忙しいところ申し訳ないのですがユーグさんに伝言お願いします。」
「…おはよう。何を伝えろと?」
「お世話になりありがとうございましたと伝えて下さい。お願いしますね。それじゃあ失礼します。」
お腹すいたなぁ。お店開いてるのかなぁ。
と思いながら門を出て歩く。
マップを見ながらだから迷子にはならないけどお店開いてないなぁ。
人も多くないし。
あっ!焼き立てのいい匂い!
どこ?キョロキョロクンクンしながら探して見つけた!
パン屋さんだよね?
開いてるかな?
ドアは開いたので中に入ると年配の女性に
「すみませ〜ん。お店まだ開いてないんですよ〜!」
と言われてしまった。
「そうですか。すみません。」
そのまま外に出て近くにあったベンチに座る。
うぅ食べれるかと思ったのに…
はぁお腹すいた。
そこで思い出した!
スマホでパンを買えばいいと。
本当はご飯がいいんだけど焼き立ての匂いをかいでからパンモードなんだよね。
でも焼き立てパンはないから普通にサンドイッチとコーヒーを買う。
ヒュン
神様ありがとう。
誰も見てないよね。
コーヒーはカップに移してサンドイッチも包みから出して膝に敷いたハンカチに乗せて1切れ食べる。
お腹が空いていたからあっという間に食べ終わった。
さて、どこで薬草を売ったらいいかな。
見つけた人に聞こうと立ち上がり歩き出したら腕を掴まれた。
えっ⁈
振り返ると若菜色の短髪の男性。
誰っ?
「あんた…さっきの…」
ガシッと両肩を掴まれて怖くなる。
また首絞められるの?
怖い。
あっ…あ…どうしよう。殺される。なんで?
怖くて動く事も声を出す事もできない。
男性の言葉も耳に入らない。頭の中がパニック状態で魔法を使う事すら思いつかないままだ。
「なぁ、さっき食べてたのパンだろ?教えてくれよ!なぁ。」
男性はリリーが怖がっている事に気付かずに両肩を掴んで揺すりながらも喋っている。
この男性…先程のパン屋の息子だ。年配女性がパンを並べている時にベンチで食べているパンを見て旦那と息子を呼んで
あれはパンなのか?どこの店のパンだ?となり聞いてみようと言う事で息子がでてきたのだが話し掛けようとしたら立ち上がって歩き出そうとしたから慌てて腕を掴んで引き止めて今に至る…
そこに
ゴンッ!
「手を離せ。怖がらせてどうする?すまなかったね、お嬢さん。大丈夫かい?」
「ってぇ〜。」
頭を押さえてる男性と同じ色の短髪だが年配の男性。
肩から手が離れたので殺されない?と少し落ち着きを取り戻し始めたところに
「リリーッ‼︎」
ユーグ登場。
リリーを、背に庇い男性を睨みながら
「彼女に何の用だ?」
「いやぁ、お嬢さんが食べてたパンの事を聞きたかったんだが怖がらせてしまったようで…」
「パン?リリー大丈夫か?」
ユーグがいるという事で安心したのかその場にへたり込む。
「大丈夫…力…抜けちゃって…」
「無理するな。」
「あっあのっ!うちの店で休んでってくれ!怖がらせたお詫びに、なっ!頼む!」
息子が頭を下げて父親が店のドアを開けて入るのを待っている。
周りにチラホラ人が集まってきていたのでリリーを抱えて店に入る。
厨房横の休憩場所の椅子に座らせてもらう。
母親が持ってきたお茶をすすめる。
「すまなかったねぇ。私はリーズ。旦那のミトと息子のトマだ。ほらちゃんと謝んな!」
「すまなかった。怖がらせるつもりはなかったんだ。」
「あんたが食べてるのは何のパンだって私が言ったもんだから…」
「いえ…えっとリリーです。ご迷惑をおかけして…」
「いやいや、こっちのせいだから。それよりあのパンどこで買ったんだい?何か挟んであったよね?」
「えっと…あれは…」
「リリー森で食べたパンのことか?まだ持っていたのか?」
「あの忘れてて…お店開いてないし…思い出して…その…
お腹空いてて…」
「くっ…まだあったのなら食べたかった。今度からは言ってくれ!隠さないでくれ!」
必死に言ってくるユーグの迫力にコクコクと頷くしかできない。
話しを聞いてたリーズが
「あれはアンタが作ったのかい?」
いやさっき食べたのは買ったのだが言えない。
あははと笑ってごまかす。
「作り方を教えてもらえないかい?頼むよ。」




