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私の帰る場所  作者: 常盤周
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ユーグさんのお父さんがいる寝室にはお医者様らしき男性が1人いた。


「父上!」


ユーグさんがベッドに駆け寄りそのまま膝をつく。


「なぜ俺がいない間にこんな…」


ユーグさんのお兄さんがお医者様らしき人に薬草を渡して薬を作るように言っている。

お医者様じゃなく薬師なのかな?

私もそっとユーグさんに近寄ってみると物凄く顔色が悪く汗もかいている男性がいた。

ハンカチで汗を拭いているとユーグさんのお兄さんが


「ユーグが癒しの森に行った後、マチルダ嬢が見舞いと言ってきてな。私は来客中でディオンが対応し父上の体調が悪いからと断ったんだが、護衛と強引に押し入ってユーグと結婚させろと迫ったらしい。こちらの護衛も即座にマチルダ嬢の護衛を取り押さえたんだが…いつもより大勢連れてきていたらしく手間取ってしまってな。来客であった相手の方も取り押さえるのに協力してくれたんだ。だが遅かったらしくてな…マチルダ嬢が何をしたかわからないが父上は倒れて意識がないんだ。」


ユーグさんのお兄さんに


「あの…失礼だと思いますけどユーグさんのお父さんに鑑定をかけてもいいですか?状態がわかれば対処の仕方もかわって来るかもしれませんし…ただ今まで鑑定を人に掛けたことないので何もわからないかもしれません。」

「鑑定持ち…いや、お願いしよう。何もわからないままよりましだ。よろしく頼む。」


深呼吸をして


鑑定!



バジル・シャルリエ


昏睡 衰弱 麻痺 旅立ち間近



旅立ち間近がわからないが

その事を伝えると

2人共絶望の表情をしクソッ!とかまだまだ生きて…とか言っている。

ん?

生きて?旅立ちって死ぬって事⁈

ちょっと待って!


「ユーグさんどいて!」


そう言うとユーグさんの大きな身体を押し退け…られなかったので身を乗り出すようにしてバジルさんの手を握る。

深呼吸して心を落ち着けて回復魔法を使う。


「リリー?」


悪いけど相手にしていられない。

ユーグさんに続いて2回目だけどまだまだ使いこなせていないのはわかっている。それにユーグさんより状態が悪いと思う。原因がわからないので善玉菌が悪玉菌をやっつけるような、毒や菌が綺麗に洗い流せるようなイメージで、身体の中の傷ついた部分が回復するようにかけていく。

痛いの痛いの飛んで行けっ!て手を翳してすぐに治ればいいんだけど…

と思ったらパァーッと光って私の中から何かゴソッと抜けて行ったような…そのまま意識を失った。






リリーにどけと言われて訳がわからなかった。


「リリー?」


呼びかけても返事がない。

何がと思ったが集中しているようだ。

何をしているのかわからずリリーを黙って見ているといきなり光ったかと思ったらリリーが倒れた。

慌てリリーの様子を見ると寝ているようだ。

あの光はなんだったんだ?

ハッ!

父上!父上は…

みると先程よりも顔色が良くなっている。

ホッとしたが


「ユーグ…その娘は一体…」

「俺にも…何がなんだか…」


兄上に聞かれても答えようがない。

とりあえず


「リリーを部屋に寝かせてきます。」

「そうだな。そうしてくれ。」


リリーを抱えて用意させた部屋に入る。

ベッドにそおっと寝かせて視線を逸らしながら靴を脱がせる。

こんな靴見た事ない。

わからない事ばかりだが嫌な気分にはならない。

むしろ次はどんな事をするのか興味があるし何かするなら側で見ていたい。一緒に出来る事ならやってみたい。

俺はリリーに助けられたし出会えた事に感謝している。

むしろこのまま…


「ありがとうリリー。」


小さく囁いて部屋をでる。

自分の部屋にもどるか兄上の所に戻った方がいいか考えているとディオンがきた。


「ユーグ様食事の用意ができました。リリー様は?」

「ああ。リリーは疲れたようで休んでいるから起きたら用意してやってくれ。」

「かしこまりました。」


言われて腹が空いている事に気付いた。

モンスターと戦わずにすんだが歩き通しで汗もかいたしな。

先に着替えてから食事にするか。

兄上も一緒に食べるだろうから話をしよう。



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