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私の帰る場所  作者: 常盤周
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「おかしいなぁ。モンスターが出てこない。何かあったか?」


ブツブツ言いながらも周りを警戒しながら歩いているユーグさん。

加護のおかげか姿どころか気配すらないみたいで訝しげに考えている。

モンスターが出てこないからサクサク歩いて森を抜ける。

それでも途中休憩したし森は広いんだろう。

森を抜けた時は夕方になっていた。


「モンスターが出なくてよかったが気配すらないのはおかしい。調べてみないといけないな。」

「ねぇあれが町?ユーグさんが住んでる町?」

「あぁそうだ。」


森は高台にあるのか坂道を下っていった先に沢山の建物が見える。

初めての町でワクワクドキドキ。

夕方なのに賑やかだ。

どこからともなくいい匂いがしてくる。

迷子になってはいけないからとユーグさんが手を繋いで歩いてくれる。


うぅ〜。

手を繋いで歩くのも初めてで恥ずかしい。

でもお子ちゃま扱いだよね。


「飲みに行く奴らがいるし、飲んで絡んでくる奴もいる。リリーも気をつけろよ?」

「うん。」


賑やかな町を抜けて静かな通りにでると


「今日は家に泊まっていってくれ。この時間だと宿も取れないだろうから。」

「急に迷惑じゃない?宿が無理ならテントでも大丈夫だから気にしないで。」

「迷惑じゃないから。町中にテントは…むしろリリーが泊まってくれないなら俺もテントに泊まるぞ⁈」

「ええぇー!それはダメよ!薬草採ってきたんだからユーグさんのお父さんに元気になってもらわないと!ねっ⁈」

「ははっ。そうだな。月光草の代金もあるし家にきてくれるよな?」

「あの…私礼儀作法がわからないから…その嫌な思いをさせるんじゃないかと…」

「大丈夫だから。何も心配するな。」

「じゃあお邪魔します。でも迷惑だったらすぐ出ていくからね?」

「わかったわかった。着いたぞ。」


ふえっ⁈もう?

見ると大きな建物が…

さすがに立派なお屋敷だよ。

お屋敷の向こうに塔の様な物が見える。

なんだろう?

ほんとにいいのかなぁ。

仕方ない。

深呼吸をしてユーグさんについていく。



扉を開けて入っていくと男性が慌てて出てきた。


「ユーグ様!ご無事でっ!」

「心配かけた。こちらのリリーに助けてもらってこの通りだ。リリーは今日泊まるから部屋を頼む。」

「執事長のディオンと申します。ユーグ様を助けて頂きありがとうございます。」

「はじめまして。リリーと申します。突然お邪魔して申し訳ありません。」

「兄上は部屋?」

「旦那様のお側に。」

「わかった。自分で行くから部屋と食事を頼む。リリーこっちだ。」

「はいっ。失礼します。」


ディオンさんに挨拶をして慌ててユーグさんについて行く。

エントランスから伸びる廊下を歩いて最奥の扉を開けて外に出る。

そこは広いグランドだった。


「ここは鍛錬する場所。外から見えずに広い場所じゃないと危ないからね。」

「剣だけじゃなく魔法も?」

「もちろん。剣も魔法も上手く使えるようにならないといざという時役に立たないからな。」


そんな事を話しながら歩いていくと、さっき外から見た塔の様な建物に着いた。


「2階の部屋だ。」


階段を上がって着いて行く。

部屋の前で扉を叩く。


「兄上いますか?ユーグです。」


ガタッ!

音がしたかと思ったらバァンと扉が開いて金髪の男性がユーグさんを抱きしめていた。


「ユーグッ!」

「兄上心配かけましたが無事戻りました。」

「あぁ、お前がモンスターにやられたと聞いてやはり私が行くべきだったと。どれほど後悔したか…無事でよかった。」


感動の再会。


ボーッとみてたらお兄さんと目が合う。

青い目だぁと思ったら


「何奴‼︎目的は何だ!」


グェッ!

はい、また首締められてます。

苦しい。


「兄上やめて下さい。彼女は私を助けてくれた恩人です。リリー!すまない。大丈夫か?」


ユーグさんが慌ててお兄さんを止めて助けてくれましたが

ゲホッ!ゴホッ!ハァハァ…ケホッ…


「も〜ヤダ〜!帰る〜。怖いよぅ。」

「すまないリリー。大丈夫だから落ち着いてくれ。なっ?」


またもや泣き喚く私をユーグさんが抱きしめて背中をポンポンしてくれて少しずつ落ち着いてくると恥ずかしさが…

どうしよう。


「落ち着いたか?すまなかった。動けるか?」


モゾモゾ動いてユーグさんを見上げると


「っ⁈〜〜」


声にならない声で顔を逸らされた。

何故だ?

あっ!泣いて化粧がとれた?いやそんな厚化粧じゃないし…

目蓋が腫れて見苦しい顔だった?

どうしよう。恥ずかしい。

そんな事を考えてたら身体が浮いた。


「えっ?」


ユーグさんが抱き抱えて部屋のソファーに座らせてくれました。

憧れのお姫様抱っこ。

でも堪能できませんでした。

まだ恐怖心と羞恥心が入り混じっているので落ち着かない。ユーグさんが離れようとしたので慌てて掴んでいた胸元の手を離そうとするけど震えてて自分で上手く離せない。


「ごめんなさい。」

「いや大丈夫だ。」


手が離せずに震えているのでユーグさんがまた抱き抱えて膝に乗せてきた。

なっ⁈


「あのっ!重いからっ!おろして。」

「大丈夫だから。」


うぅ〜恥ずかしい。


ゴホン!

「あー。ユーグ説明を…と言いたいところだが薬草を先に!父上が危ないんだ!」

「⁈すまないリリー月光草を頼む。あとで代金は払うから!」

「いいですよ。ぞうぞ。」

「ありがとう。」


採った薬草が入った袋と渡した月光草を持ってユーグさんがユーグさんのお兄さんに着いていく。

私も月光草が足りなかったらいけないので着いていった。





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