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いつもより早起きしてお弁当と朝食を作る。
お弁当は鞄に入れ朝食を持ってテントに行く。
ユーグさんは起きていてテントの前で身体を動かしていた。
準備体操かな?
「おはようユーグさん。朝食どうぞ。」
「おはよう。いただくよ。」
テントに戻って朝食を食べる。
「リリーの家はどこにあるんだ?周りを見たが家はなかった。もしかしてここから離れているのか?」
「んーそこだから大丈夫よ。それより食べたらすぐ出発するの?薬草採りながら行くんでしょ?町までどのくらいかかるの?」
「あーすまん。癒しの森に来たのは初めてなんだ。試練の森からここまでどのくらいの距離があるかわからないからなぁ。モンスターに襲われたりすると進めなくなるから野宿することになるかもしれない。だが試練の森で野宿は…」
「わかった。野宿の覚悟はしておくね。でも大丈夫だと思うよ?あの、この格好で大丈夫かな?おかしくない?町の人ってどんなの着てるか知らないから…」
以前用意した白シャツに黒のミモレ丈のスカートを着ているけれど。
言われて改めて私の格好を見たユーグさんは少し困ったように視線を逸らしながら
「あー。女性は足首までのスカートだな。子供は別として成人女性が足を見せるのは夫にだけだ。そのように足を見せるのははしたない事で…あー…誘っていると思われるし、その…何かされても文句は言えないんだ。」
「⁈ごっ、ごめんなさい!着替えてきますっ!」
慌ててテントから出て家に戻る。
恥ずかしい。
日本では普通だしもっと短いスカートをはいている人は沢山いた。
誘ってる事になるなんて思ってもみなかった。
やっぱり日本とは違うんだ。
こっちの常識がわからない。
紺色のマキシ丈のスカートに着替える。
鞄の中に一応着替えのスカートも入れておく。
はぁ〜。
恥ずかしいけど行かなきゃ。
そうだ!
ウィッグつけていこう。
黒髪珍しいみたいだし目立ちたくないからね。
金色よりはミルクティー色の方がいいかな。
ノッペリ顔だし染めた事ないから違和感あるけど…
テントに行くとユーグさんも準備ができていたようだ。
「お待たせしました。先ほどは知らなかったとは言え
見苦しいものをお見せして…その…忘れてもらえれば…」
「いや…ゴホン。大丈夫だ。そのここで1人で暮らしているんだ。町にも行った事がなければ知らなくても仕方ない。これから気をつければいい。俺もわかる事は教えるから。で、その髪は?」
「ありがとうユーグさん。なんか黒髪珍しいみたいだから目立つかなぁと思って…色々教えて下さい。お願いします。」
笑顔でお願いした。
「じゃあ出発するか?っとその前に聞きたいんだがリリーの持ってる薬草に月光草ってあるか?」
「?少しなら。」
「よかった〜。その月光草買い取らせてくれ。家に着いたら必ず払うから。」
「いいけど他の薬草はいらないの?」
「いや、他の薬草も採りながら帰るさ。あぁ俺袋がないから要らない袋貸してくれないか?」
「んー。これでもいいかな?」
鞄から1日分の着替えが入るくらいの巾着袋を出して渡す。
特に何も付与してないただの袋。
「ありがとう。んじゃ行くか。」
薬草を採りながら歩くので進みは遅いかな。
途中休憩をしてまた歩く。
そろそろ試練の森に入るってところで食事にする。
お弁当と言ってもカゴにサンドイッチやロールパンをいれたのをユーグさんに渡す。
カップにお茶を注いで渡したら自分の分をだす。
私はおにぎりに玉子焼きや唐揚げが入ったカゴ。
手拭きで手を拭いて食べる。
ユーグさんはサンドイッチを食べながらも唐揚げをチラチラ見てる。
気になるのかな?
「食べる?」
「いいのか?」
「そんなに見られたら気になって食べにくいからどうぞ。」
「いただこう。」
唐揚げを一口で食べてモグモグモグ。
目を見開いて
「うまっ!なんだコレ⁈」
えっ?
まさかここって飯マズなの?
それは嫌だなぁ。
美味しい物食べたいのに…
「あの…町の料理ってどんなのがあるの?」
「普通だぞ?今食べたのは初めてだけどステーキとか串焼きとか色々ある。そっか、行った事ないからわからないよな。美味い店に案内してやるから楽しみにしてろ。」
「うん!楽しみにしてるね!」
ユーグさんの様子から見てそんなに飯マズじゃなさそうな気がする。
楽しみにしておこう。
「薬草はここまでだな。試練の森に入るから気をつけろ。
できるだけ俺の側から離れるな。モンスターがでたら俺の指示通りにしてくれ。俺がヤラレそうになったら俺に構わず逃げるんだ。いいな?」
「うん。わかった。でも気をつけてね?」
「あぁ。じゃあ行くぞ!」




