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剣豪聖女~異世界召喚された聖女は最強のおてんば女子でした~  作者: 釈 余白
第一章:聖女召喚

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4.いざ出陣

 出発の朝、特に出陣式のような威勢のいいものは行われず拍子抜けだが、まずはお試しだと言っていたことを思い出す。


 アタシにとっては初めての外出と言うこともあって、今は不安も消え少しだけワクワクが上回っていた。


 馬車で出発してから数時間後、まずは第一目的地のノアゲ村へと到着した。村の規模はかなり小さく、おそらく二十軒もなさそうだ。


「もしこんな小さな村に魔物が流れて来たらあっという間に全滅するだろう。聖女様はまだ魔物をご覧になったことは無いでしょう? 魔物と一口に言っても種類は多岐にわたり、基本的には動物が狂暴化したものだとお考えください」


「魔物と言うのは動物なんですか? てっきり腐敗している場所から生まれてくる怪物なのかと思ってました」


「そういった個体もいなくはないですが、腐敗から出たばかりのものは形を持たないのです。それが動物に憑依して魔物化するわけです」


 つまり浄化しない限りは魔物の発生は止まらないのだ。マルセリード隊長から丁寧に説明を受け、事の重大さを改めて知った。


 それだけにアタシの役目は重要である。聖女の力が本当にあるのかまだ分からないのにブッツケで参加するしかないというのもすごいプレッシャーで嫌な汗をかいてしまう。


 だがここまで来てやらないと言う選択肢はないし、困ってる人が大勢いるならなおさら頑張らないといけない。



「よし、ここに陣を張り腹ごしらえを済ませたら偵察を出そう。サンカーとタクリームで現地の規模を確認してきてくれ。ニッシュは村周辺の様子を、ユーケスは持っていく物資の整理を私と一緒に、モモは聖女様について危険の無いよう頼む」


「「はい、隊長!」」


「アタシはなにをすれば?」


「聖女様は待機願います。浄化の力はすでに試していると聞いておりますので心配ないでしょう。問題があるとすれば魔物を目の前にして集中できるかどうかです」


「やっぱりそこですよね…… 正直に言うと本番ではすくんでしまうかもしれません。それを思うと余計に自信が無くなってしまいます」


「ですがご心配なく。間違いなく我々が守りますから加護に集中してください!」


「はい、ありがとうございます。頼りにしていますね」


 マルセリード隊長は金髪碧眼のイケメンでまるでアイドルみたいだ。それに最初の顔合わせでアタシの悪口言ってた騎士をいさめてくれたから完全にいい人認定である。


 そんな隊長がテキパキと指示を出しているのを見ていると、いよいよ本番かと気持ちが高ぶっていく。ここまで来たんだから後は思い切ってやるしかない。



 夕方になって偵察に行った二人が戻ってきた。話を聞く限り、どうやら以前の調査報告とそう変わりはないらしい。


 村から歩いて一時間もかからない場所にあると言う沼地が腐敗の中心地とのことだ。周辺には当然のように魔物がいたようで、サンカーもタクリームも大分疲れて帰ってきたように見える。


「いやあ村の中に陣を張ったから見張りいらずでうれしいよ。もうクタクタだから早く飯食って寝たいもんだ」


 サンカーがそう言うとタクリームもうんうんとうなずいている。やはり魔物との戦闘は相当大変なんだろう。


 明日はもっと大変かもしれないのでゆっくり休むようにと隊長が声をかけ夕食が始まった。


 村では歓迎に食事会をと申し出があったが、腐敗の浄化ができてすべてが解決した後ならと丁重にお断りしていた。マルセリード隊長は本当に常識人である。


 こうして夕食を終え、寝て起きたらいよいよ初任務だ。明日は朝から移動開始とのことだからしっかり寝ておかなければいけない。


 隊長他はテントでの就寝なので申し訳なく思うが、思うだけで変わるわけでもなく、アタシとモモは馬車の中で少しだけおしゃべりをしながら眠りについた。



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