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剣豪聖女~異世界召喚された聖女は最強のおてんば女子でした~  作者: 釈 余白
第一章:聖女召喚

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3.初任務準備

 無事に聖騎士隊との顔合わせが終わり、懇親会を兼ねての作戦会議が行われることになった。


 参加者はアタシと聖騎士の六名、それにドーセリアンと補佐の長老が二名と、国の命運を賭けている割にはごく小さなものだ。


「まずは初回の作戦ですので、聖騎士隊との連携含めうまくいくか試す程度の気持ちで差支えございません。ですので我々関係者のみでの会議とさせていただきました」


「なるほど、大々的に送り出されたのに失敗では困りますもんね。アタシは外へ出るのも初めてですからとりあえずついて行って指示を仰ぐつもりでいます」


「筆頭長老、まずは試しと言うことであれば小規模なところがよろしいでしょうな。その中でも人家に近く緊急性の高いところ―― ノアゲ村かアプナド村に近いところに小さな腐敗が存在します」


「ふむ、王都から近いのはノアゲ村ですな。距離的には日帰りも可能ですから作戦遂行を考えても食料は三日分で足りるでしょう。聖女様、いかがでしょうか」


「そう言われてもどこがどこだかわかりませんからお任せします。それにしても女性の騎士がいるなんて思ってもいなかったので少し安心しました」


 隊長のマルセリードが女性騎士を促すと、彼女はスクッと立ち上がり自己紹介をしてくれた。


「モモ=フローズンと申します。歳は二十一歳、騎士になって日が浅いですが、聖女様を精いっぱいお守りいたしますのでよろしくお願いいたします」


「ハルカ=カネガフチです。アタシは十七なので最年少かな。こちらこそよろしくお願いしますね」


 それから全員が自己紹介をしていき、堅苦しい時間が過ぎていった。




「はあ、疲れた…… アルマは一緒に行かないんだよね? 騎士さんたちとうまくやって行かれるか心配だわ。あんまり変なこと言って嫌われないようにしないと、なんて考えてたら出発前から不安で不安で……」


「聖女様なら大丈夫だと思いますよ。騎士の方々も任務を終えれば普通の人たちばかりですし、女性騎士もいるならなおさらです」


「それにしても数日だけ訓練をして出発なんて、やっぱりそうとう切羽詰っているのかしらねえ。ホントに大丈夫かな」


「三日後に出発と言うことなので準備を整えておきますね。正装は着替え用に一着あればよろしいでしょうか。肌着は日数分と少々お入れしておきます。おそらく湯あみはできないのでタオルも同じくらいでよろしいでしょうか」


「うん、あとは浄化で何とかするから問題ないわ。もうアルマになんでもやってもらうことになれて、すっかり怠け者になってしまってごめんなさいね」


「とんでもございません、なんでもお任せくださいませ」


「でも今度の任務では自分でやらないといけないし、荷物の中身がわかってないと困るだろうからアタシも一緒に準備するね」


 そんなことを話し合いながら準備を始め、夜にはすべてが終わった。これであとは二日間の訓練を済ませるだけだ。


◇◇◇


 翌日には予定通り訓練が開始され、聖女であるアタシを中心にして周囲を六人の騎士で囲って魔物から守り、その間に聖なる加護を使って腐敗地域を浄化する手順を確認した。


 実際には攻撃をしてくる魔物が出てくるわけで、その間じっと動かずに浄化できるのかどうかが心配ではある。


 騎士さんたちが守ってくれると言っても相手の数も見た目もわからないし、取りこぼしがあったら無防備なアタシはイチコロかもしれない。


 そんな不安を増大させたのが騎士同士の訓練、つまり立ち合いだった。



『ゴンゴンゴンゴン、ガコン、ガキッ』

「こら、打ち込みが甘いぞ! 一匹たりとも通すわけにはいかないんだ。そのことを意識して一発で仕留めるんだ!」


「は、はい、すいません! とりゃあ、おりゃー!」


 訓練場に木剣同士の鈍い音が響き渡る。アタシが普段使っていた木刀とは違い、鈍く重そうな音に迫力がないわけじゃなかった。


 でもやっぱり動きがものすごく遅く見えて、本当に魔物を倒せるんだろうかと不安を感じてしまうのだ。


 でも全員討伐に参加したことのある経験者と言うことだし、魔物も意外に大した強さじゃないのかもしれない。


 立ち合いを見学しながら自分ならどう交わしどう打ち込むかを考えながら、なるべく不安を感じないよう平静を装うしかなかった。


 結局は不安がぬぐい切れず、荷物と一緒に自分の木刀をしのばせることにした。



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