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妖《あやかし》しの守人  作者: 月夜乃 遊策
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プロローグ、その参

 すいません、なかなか本編に入れません

 僕は獣医学部に通っている、


 小学生の頃、ものの化の子供(たぶん狼の魔獣だと思うんだけど)が怪我をしているのを見つけた。

 すぐにねいさん達を探したんだけど運悪く誰も家にいなく、子狼を抱えて途方に暮れていた。

腕の中にいる子はどんどん衰弱していくし、自分では何をどうしたら良いか分からないし

僕はその子を抱えたまま泣いていた。


 そうしていると、何処からかやって来た顔を布で隠したふさふさの尻尾(狐の尻尾に似ていた)を生やした妖しがやさしく僕の肩に触れて

 「竜輝クン、私にその子を見せてくれるか?私は妖医師、妖し・ものの化の医者だから」

と言って子狼を診てくれた。

 ただ、子狼の怪我は酷いものだったみたいで、なかなか良くは成らなかった。

妖医師は、困った様(布で顔を隠していたから見えなたったけどそんな雰囲気がした)に僕の方を見て

 「竜輝クン、この子は私の力だけでは救えない、君の力を貸してくれないか?」

と言った。

 僕が訳は分からなかったけれど即座に頷き、

 「僕の出来る事なら何でもする」

と言うと妖医師は嬉しそうに、

 「ではお願いするよ、すまないが髪の毛を数本分けておくれ」

 「それから、ゆっくりと深く呼吸をしてみてくれるかな」

 僕は言われた様に、髪の毛を数本引き抜いて渡し、目を瞑ってゆっくり深く呼吸をしていった。

しばらく呼吸を続けると下腹(丹田)が温かくなり、徐々に温かい固まりが溜まっていくのを感じた。

その事を妖医師に伝えると、

 「さすが竜輝クンだ、じゃぁそのまま続けながら、お腹の温かい固まりを額まで上げてみて」

 「大丈夫君ならできるから」

と言われた、なんでそんな事を言うのか分からなかったけど、その言葉の通り想い描いてみると

スウーッと温かい固まりが額まで上がり体全体がそれに伴って満たされる様な感覚が広がった。

 その様子を見ていた妖医師は、

 「そのまま今度は手のひらに温かい固まりを集めて」

と言われた様にしていくと、掌が温かく膨張した様に見えた。

 「それじゃ、そのまま子狼の傷をふさぐ様に手のひらを当てて」

 「そう、そのまま。それじゃ行くよチョッと我慢してね」

と言うと、急に両手の指を色んな形に絡めながら僕の知らない言葉を唱え


 「破ぁ!」


と気合を込めた。

 その瞬間僕の手のひらにあった温かい固まりが子狼に移って行った様になくなり

僕の髪の毛が糸の様に傷を塞ぎ、まるでなにも無かった様に傷が消えた


 だけど、それと共に僕にはもの凄い疲労感が広がり眩暈を起こしてその場に倒れてしまった。


 気がつくと僕は自分の部屋で布団に寝ていて、僕を心配そうに見つめていた子狼に目が覚めた途端びしょびしょになるほど顔中を舐めまわされた。

 どうやら、倒れた僕を妖医師が部屋に運び

じいちゃんに事情を話してくれたみたいで、じいちゃんは

 「こんな事で倒れるとはまったくもって鍛え方が足りなかった」

などとブツブツ言っていた。 

 翌日から稽古がよりハードになったんだけど、そんな事より子狼を救えた事がもの凄く嬉しかった


 妖医師は去り際に、

 「竜輝クン、君には治癒術師の素質がある、鍛えると良い事があると思うよ頑張ってね」

 「もし、治癒術師になれる「力」がついた時にはまた会いに来るよ」

と言って励ましてくれた。


 その後、毎晩寝る前に妖医師の教えてくれた呼吸法をし「力」を体内に循環する鍛錬をしている。

おかげで、稽古で怪我をしたりしても一晩寝て起きれば治っているし病気にも罹らなくなった。

もっとも、それから一度も妖医師は会いに来てくれてないから、まだ「力」が足らないんだろう。


 治癒術師になる事は諦めたわけじゃないけど、獣医になれれば子狼を救った時の喜びが得られるのでは?

なんて安易に今は獣医師なるべく大学に通っている。


 まだ二年で専門的な事はそれ程学んでないけれど、色んな研究室に入り込んではお茶を失敬しながら学んでいた。


 今日の講義は午前中だけで、昼食を同じ学年の仲間と食べ研究室廻りをするつもりだったけど

今日に限って何処の研究室にも鍵が閉められて入れなかったし、出がけにじいちゃんから「早く帰れと」と言われたのを思い出し、早く帰る事にした。


 帰ると住居になっている母屋には人の気配はなく、母屋の隣の道場に向かった。

道場には三人が待っていたのだが、その姿はいつもの三人と違っていた。

 

 道場の正面一番奥にじいちゃんが紋付き袴で腰には脇差を差して座り

 じいちゃんの隣には、守麗ねいさんが絵柄の入った小袖に紅色の旅袴を穿き、真っ黒の胴丸(戦国時代の鎧の一種)を着けて、脇にこれまた真っ黒の戦国時代の鎧兜(伊達正宗の黒漆五枚胴具足に似ていた)を置き

 じいちゃんを挟んで反対側に裂嘉ねいちゃんが薄い青色を基調とした振袖を着こみ、手には黒い鞘に小さめの鍔の刀を持っていた。


 その姿に面喰っている僕にじいちゃんは、いつもと違う硬質な声で

 「入れ!」

と一喝した。

   


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