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妖《あやかし》しの守人  作者: 月夜乃 遊策
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鬼虎の災い、白日

 里の門の近くまでたどり着くと、門を警護している鬼乃部の者達は弥生達鬼乃部の娘達と共に白虎が里へと向って来るのを見て、慌てて里の中へ駆けて行ったかと思うとまたもや手に六角棒などの武器を持った里の男達が門の前に集まって来た。


 この様子に、初めて僕等が里を訪れた時の様になっては不味いと思ったのか、弥生と娘達が一行の前に進み出た。

弥生達、鬼乃部の娘の無事な姿に安堵しつつ怪訝な表情を浮かべる里の男達。

無理も無い、白虎の求めに応じて娘を差し出したと思っているのだから・・・。


 僕は一悶着起きる前に、大声で剛弥殿を呼びまず里の中に入れる様に告げた。

朝早く、里を出て行った僕等の姿に驚きながらも、白虎の方を見て躊躇している。

僕は、里に入っても暴れる事が無い様に保障すると約束をし、里の中心の広場に里の主だった者を集める様にお願いをした。


 初めは、考え込んでいた剛弥も、弥生の助言を入れて聞き届けてくれた。


 里の中央の広場には、剛弥前に里の男達が居並び険しい表情で僕等を見ている、その前には武早の横に隣に僕が立ち、僕の後ろに守麗・裂嘉が控えた。

弥生は剛弥・武早の正面から離れた側面に一緒に戻った娘達と立ち、その周りにこの事態に戦々恐々として推移を見守る様に里の民全ての視線が注がれてた。


 里中の視線が集まる緊張感に押しつぶされそうな重圧がかかってくるが、なんとかそれに耐えていると剛弥からまず、弥生達に対して事の顛末を話すよう促された。


 鬼乃部の娘達を代表し弥生が、導師の案内で山に連れて行かれたが待っていたのは導師の従者として里に滞在していた男とその仲間だけ、娘達が捕えられようとした時に白虎が現れ自分達を庇う様に男達と対峙したが、男達の中には魔術を使う者もいて思う様にその場から脱する事が出来ず、ジリジリと追い詰められていると龍輝達が現れ圧倒的な力で男達を薙ぎ払い、導師と男達の頭目と思われる男を捕え他の者は山の木々に縛り付けて里に戻って来た。

山の木々に縛り付けてある男達は、もう一匹の白虎が見張っているはずだ。


 と、自分が体験・目撃した事だけを伝えた。


 剛弥は一つ大きく頷くと、今度は僕に話しをしろと目で促した。


 が、まず僕が話すより武早に話しをしてもらおうと促す、が里の者には武早の声は咆哮にしか聞こえない為、山麓で弥生達にした様に裂嘉に里全体を覆う様に気(龍気)を広げてもらった。


 武早は改めて、里の者に自分は飛雲虎と呼ばれる霊獣であり山に住む獣を取り仕切っている事


山で起きた獣の虐殺、


山から消えた娘・千早の事その千早を探して里の近くまで下りて来た事


山に来た導師は自分とはまったく話しが出来なかった事

などを話すと里の者達は武早が喋った事とその内容に喧騒渦巻いた。


 中には、僕等が摩訶不思議な術で里を騙そうとしていのではないかと言う者も現れ、大騒ぎとなった。


 その騒ぎを静かに見守りながら僕と剛弥の視線が真正面からぶつかり合っていた。

その剛弥の視線は、僕が里の者を欺こうとしている者かどうか見定めている様な気がした・・・。


 幾ばくかの刻が流れ、怒号が飛び交う様になり里の男達が僕等に今にも飛び掛らんとした時、


 「し・ず・ま・れ~!」


と、剛弥の一喝が里中に鳴り響いた。


 「貴様ら、その醜態は何事だぁ!千年前、先の大戦おおいくさ須佐皇すさのうの呼び掛けに応じ、その手勢として戦い『須佐の陣営に鬼乃部在り』と謳われた一族の末裔の姿かぁ!」


 「龍輝殿そして武早殿、お見苦しい所をお見せいたしました。千年前の大戦の頃、全ての生きとし生きる物と言葉を交わせた我らも長い歳月にそのすべを失っておりました。

今回の仕儀も、祖先の術を受け継ぐ事の出来なかった我らが落ち度、申し訳ございませぬ。


 龍輝殿、貴殿は全ての真相を御存じの様子どうかご自身の御正体をお明かしいただき、全てをお教え下さい」


と、その場にひざまつかれてしまった。


 僕は慌てて、剛弥を起こし「正体なんてそんな・・・」と言いかけると、守麗が


 「弥生さんにも不信がられておりますが、龍輝については後ほど剛弥殿だけにお話しします、まずは今回の鬼乃部の里とお山で起きた件について話されては如何でしょうか」

 

 と助け船を出してくれた(僕の正体と言われても・・・僕自身余り良く分かっていないんで助かったぁ・・・)


 そこで今回、鬼乃部の里の騒動と槍が岳で起きた獣の虐殺について同一犯によって起こされたものである事。


同一犯とは、捕え連れて来た導師とその一党によるもの。


かの者達を問い詰めた訳では無いが、様々な事柄によって推察できる事。


導師の形をしている者に武早達・霊獣と話す事は出来ず、自分達の目的の為に里の民にあたかも武早達が求めたかのように里の娘達を要求した事。


要求に従い里の娘に山の獣に奉仕をする為に山に連れて入ったにもかかわらず、現れたのは男達で娘達を攫う為の護送用に荷馬車が用意されていた事。


武早が現れても、娘達を渡す事などせず攻撃を加えた事。


そもそも武早が里の近くまで現れたのは、数日前から行方をくらました娘・千早を探すためであり、千早の匂いが忽然と消えた地点に幾つかの痕跡がありその痕跡を辿ったら偶々里に辿り着いた事。


導師との会話の際も武早は娘・千早の事をを知らないか?と言うものだったのだが意思の疎通が図れなかった事


導師は猫人族ではあるが、守麗の調べによれば男達の野営地に多くの猫人族が酷い仕打ちを受けていたと言う事


そこから、想像するに導師役の猫人族は男達の言に従い里に白虎との通訳としてやって来たと思われ、男達の目的は、鬼族の娘の誘拐であると推察出来る事


その目的の為に、山の獣を虐殺し偽りの通訳を派遣し里を欺いたのではないかと話した。


 僕が一通り話すと、いつの間に気がついたのか贋導師の猫人族が


 「そんだけじゃないよ、本当は白虎と里を争わせて双方疲弊した所で里を襲い全ての者を奴隷として売り飛ばし、白虎は毛皮にし、山は開拓して人間の為の歓楽街を作る予定だったんだ・・・」


と言い放った。


 その言葉を聞き里の男達が口々に導師を偽っていた猫人族の女を罵倒したが、女は憎悪と虚無が入り混じった目を向けてくるだけだった。


 剛弥が、何故人間の奴隷となりこの様な計画に加担したのかと問うと


 「この計画が成功したら私等猫人族は奴隷から解放される事が約束されていたんだよ」


 「仕方ないじゃないか、あんた達に分かるのかい私達がどんな目にあわされていたのか?」と話し始めた。


  



次回の書き込みは、かなり辛い内容になると思います。

自分自身、今から書くのが辛いのですが、避けて通る事は難しのではと思っています。

辛い読み物が苦手な方はその辺りを考慮しつつお読みいただければと思います。


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