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妖《あやかし》しの守人  作者: 月夜乃 遊策
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鬼虎の災厄・追跡

 翌朝、まだ外が白み始める頃僕は二人を起こした。


 二人は、僕が起きていた事に気づいていたのか、僕が剛弥一家の誰にも気付かれない様にと小さい声で囁きかけただけで、布団から起き僕を見つめた。

 

 「あの導師の話しと武早の話し、僕には武早の話しの方が信用できる。

このまま、導師一味の思惑のまま事が推移していくと、多くの人が悲しむ事になるんじゃないかと心配なんだ、だけど導師一味を追い詰めるだけの材料が無い。


 それで、朝早く一端この里を離れ弥生ちゃん達が導師一味と山に向かうのを陰から見守り、導師が言った様に弥生ちゃん達が白虎達、獣に奉仕をするならばそのまま黙認し本来の目的地・妖孤の里に向う。


 もし、導師一味が善からぬ事を企んで、馬脚を現したならその企みを木端微塵に粉砕し弥生ちゃん達を助けようと思うんだけど、二人は助けてくれる?」


 と、聞くと守麗はジト目で睨みつけ、裂嘉は頬を膨らませて怒っている。


 それを見て僕が慌てると


 「何を当たり前の事を言ってるんですか?私達が龍輝の想い汲み取らず、反対する訳無いでしょ」


 「そうよ、『導師達が怪しい、弥生ちゃん達はもとより里の危難、武早殿の難も振り払うからついて来い』って言えば良いの」


 とちょっと拗ねながらチョッと嬉しそうに同意してくれた。


 その事に安堵し、これからの事に腹が据わった途端、眠気が襲ってきて二人の膝の上に倒れる様に眠ってしまった・・・。


 すっかり日も昇って、朝食が出来たと弥生ちゃんが呼びに来るまで寝ていた僕は朝食の席で剛弥殿に


 「昨夜は大変な供応ありがとうございました、なんのお返しも出来ず申し訳ありませんが、僕達も目的地に向わなければなりません、朝食をいただきましたら出立したいと思います。」


と告げると、まだまだこの里に滞在していただきたいが里もこの様な状況では引きとめれば余計な厄介事に巻き込んでしまうかもしれない残念だが仕方ない、ただ、この騒ぎももう間もなく治まるだろうからその時期にでも再び里を訪ねてほしいとお願いされながらも、了承してもらった。


 里を離れる際には、門まで剛弥家族に見送られたその時、昨夜勝手に持ち出した六角棒を記念にと手渡された。


 鬼乃部の里の六角棒はその一本一本に鬼力による刻印が施されて、里の者が見れば誰の持ち物だか分かるのだそうだ。

次回訪れた際の、身分証明の代わりにと剛弥殿の鬼力の刻印のは入った六角棒を渡し再会をお願いされた。


 里を離れると、僕等の動向を窺う様に人影が付いてくる。

もちろん、導師一味の者の気配だがそれに気付かぬ振りをし、湖の森へと進んで行った。


 湖の森まで来ると、追跡者の気配も失せる、用心に里とは反対側の湖の対岸まで足を伸ばした所で荷物を隠しその場から穏業の術を使う為両手で印を組み、「オン・マカ・カーラ・ソワカ」と真言を唱え息を吐き自分の気配を断って行く。


 気配とは生き物にはあって当たり前、生きる活力の波動の様なものそれを断つ事は自らの活力を外界と断つ事を成る、自分の気を使うのにも精神の集中は必要だが、その逆を行うのにはそれ以上の精神の集中が必要になった。

その為、儀式として印を組み真言を唱える事で精神の集中をし易くしている。


 もっとも、そうした方が僕はやり易いってだけで、じいちゃんも他の二人も目を瞑って集中するだけで出来るんだけど・・・まだまだ修行が足らないのかな。


 それでも、穏業術を使うと目の前に立っても、目に映らないのか全く僕の姿を感知出来なくなる様で、以前試しに学校の友達に穏業術を使って悪戯をしたらものの見事に成功してしまい、逆に怖くなってしまった。


 僕達は穏業術を行使したまま、大急ぎで鬼乃部の里に戻る。


 どの位待機すればいいのか?と悩む間もなく導師と弥生、それからあと四人の娘達が門の前に集まり里の人に見送られながら「山」へと出掛けた。


 それと、前後して里の裏手から皮鎧や剣・斧などで武装した二十名程の集団が二つに分かれ里を離れた。


 僕達も三方に分かれ彼らの後を追う。


 僕は、導師-弥生ちゃんの後ろを追った。




  

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